高野裕美子「キメラの繭」
【内容情報】(「BOOK」データベースより)A型のトリインフルエンザが流行の兆しをみせた2009年冬。都内に棲息するカラスが突如凶暴化し、人間を襲い始めた。ウイルス研究所の助手・立科涼子は、弟の不審なアレルギー死の原因を探るうち、世界最大のバイオ企業の遺伝子組み換え作物とインフルエンザウイルスの変異との関わりを疑うが…。“遺伝子組み換え”がもたらす恐怖を描く推理サスペンス。 久し振りの「長編推理小説」です。とにかくスピードが良くて、のめりこめるので読みやすかったです。凶暴化してカラスや鳩達が集団で人々を襲うシーンはゾクッとしました!!そして、助けた主人公に懐く子ガラスの愛らしさにはキュンキュンきました!!というわけで、怖い生物・憎む生物という一面だけを強調しないストーリーに好感です。ただちょっと残念だなぁと思ったのは、初めの方で相手役がもういないみたいな回想が語られていること。あの1行で恋愛方面の最後が予測できてしまう・・・(当たるかは別として)