精進料理
最近の晩御飯のおかずですが、図書館で借りた料理本、 「禅寺のおばんざい 四季の膳」(西川玄房 著・女子栄養大学出版部) に 記載のメニューを参考にすることが多いです。 精進料理を実際に食したのは10年前の夏、 まだ神戸で一人暮らししていたころのこと。 父が出張で関西に来た折に、京都で一緒に精進料理を食べよう、と いうことになって、ほいほいと出かけていったのでしたが・・・ 途中貧血をおこして、高槻駅の医務室でぶったおれておりました。。。 でも、だいぶんよくなったので、高槻駅まで迎えにきてくれた父と共に、 予定通り精進料理を食べにいきました。 暑さのあまり食欲をなくしていて、そのせいか貧血をおこしてしまったのですが、 精進料理を味わって食べていると、 なんだか、一口ごとに体の芯からすっきりするというか、細胞がじわじわとよみがえるというのか、 心身が俄かに回復していく感覚におそわれました。 これを毎日食べれるとよいな、と思ったものですが、 自分でつくろうとはしなかった私 ランチでも確か一人5,000円以上したので、それくらいコストがかかるのかとも 思っていたし。(実際はコストがかかるどころか、身近な野菜を中心につくるので お財布にもやさしいですよね) でも、主婦になって、最近は禅寺などで精進料理教室が催されているのを知り、 再び興味がわいてきました。 基本的には料理は苦手だし、家事の中で一番苦痛なのは、 何を隠そう、晩御飯の献立を考えてつくることです。 健康によいものを作りたい、という思いはあっても、それだけの モチベーションでは私の苦痛を相殺するほどの強さはなかったのです・・・ (どんだけ苦手なんじゃ~) しかし、前段に紹介した本を読んでいると、料理をつくることも大切な仏事、と いう言葉が目にとまりました。 そうだ、料理も修行なんだ。 すっかり抹香くさくなっている(ちと表現が関係者に失礼だが)仏教ヲタのワタクシの 心を奮起させるには、この「料理も修行」という言葉を身体にたたきこませるのが一番!! と、心をいれかえて毎夕、台所に立っているのでありまする・・・☆ まあ、たまにお肉も食べるけれどね。いつもいつも精進料理ではないのですが、 しかし精進料理は、食べる以上に、「作る」とより心が正される、というのか、 無心になれるのですばらしいです。 すべて、家事もすべて、修行なのであ~る・・・・☆ それに対する嫌悪感や倦怠感があればあるほど。 でも、単純に言って、精進料理はおいしい!!です。 この本に記載のメニューを眺めているだけで、日本の四季を味わう豊かさに 心から浸りこめます。 そう、印象に反して、非常に豊か、豊饒な世界なのです。 比較的簡単にできる多くの精進料理のレシピを紹介した本を著された 西川玄房氏に感謝いたします。 (この本以外にも著書多数です) 実は、旦那の実家近くの曹洞宗のお寺では、 一泊して、ゴマ豆腐つくりに、座禅に、写経、精進料理つくり・・・などなどの 禅修行体験メニューがあって、 一度行ってみたくてしょうがないんだけど、 帰省の折に 「お寺に泊まって修行してまいります!! 精進料理、習ってまいります!!」 などと言ったらどんなことになるか・・・。 行かせてもらえたとして、後でなんといわれるかというと、 「わざわざお寺で料理する前に、家ですることあるだろ(怒)」 とか、そんなところだろう。 「山の修行」より「里の修行」、 私の瞑想の先生によると、女が結婚する(もちろん結婚生活を維持し全うすること)のは 千日回峰行にも匹敵する荒修行なんだそうな。 まだまだ私ごとき、お寺にこもらせてもらえる身分ではないってか?! そんな「里の修行」(千日回峰行?!)の心強~い味方となってくれそうなこの本を手に、 今夕も台所に立つこととします・・・☆