車田のつぶやき

毎年、取引所での取引は12月30日まで行われ、新年は1月4日から始まります。12月30日を｢大納会（だいのうかい）｣、1月4日を｢大発会（だいはっかい）」といいます。
商品取引会社、証券会社をはじめとした取引所ビジネスにかかわる人にとっての年末年始は大晦日と三が日の4日間と短いものです。この4日間が土日とずれますとあわせては長めの休みになりますが、残念ながら、今回は1月1日と2日が土日と完全に重複し、年末年始の休みは最短となる場合の4日間です。

ドットコモディティにとりまして、2010年は、インヴァスト証券、三菱商事フューチャーズの両社からのネット商品取引事業の承継がありました。

また、取引所の会員でない商品取引会社の注文を取引所につないで執行する取次（とりつぎ）も、証券会社、FX会社と業態を広げながら拡大しました。
1月4日の大発会からはフジフューチャーズへも取次のサービスを提供することとなりました。フジフューチャーズは、ネット取引において”ヴィーナス”という使い勝手の良いシステムを提供することにより顧客数を拡大し、国内業界でもトップクラスの口座数を誇る会社です。ドットコモディティが取次のサービスを提供する会社は7社になります。

新しいサービスとしては、海外のCMEグループでのコモディティ取引を行うことも8月から開始しました。

ドットコモディティのメンバーの尽力とお客様の温かいご支援により、2010年のドットコモディティは、規模とサービス内容の両面で成長を遂げることができました。
ありがたく、また、うれしいことです。

4月3日の｢車田のつぶやき」に｢桜咲くこの季節に｣と題しまして、ドットコモディティに虚偽の内容の申告をしながら口座を開設して勤め先の会社のお金を横領して取引をした本人(実際には自己破産をされましたので破産管財人です)から、会社のお金を横領してドットコモディティにて行った結果の損失について賠償請求がなされた裁判において、賠償義務なしとの判決を得たことをご紹介しました。本人が控訴をしていたのですが、この12月に「控訴取り下げ＝賠償義務なしとの1審の判決の確定」との結果に終りました。自己責任、｢クリーンハンズの原則」からしますとドットコモディティの全面勝訴の1審判決は正当なものでしたが、これが確定したのもうれしいことの一つです。

2011年1月からは、商品先物取引法が施行されます。ドットコモディティのお客様にとって、改正法の施行自体によって何かが変わることはありませんが、この法律施行と同じタイミングでいくつかの改正があります。

お客様が、商品取引を行うために商品取引会社に預けなければならない｢証拠金｣について、日経225はじめのデリバティブ取引一般において採用されている"SPAN（スパン）証拠金”制度が導入されます。これまでの証拠金は、売りまたは買いにかかわりなく1枚につきいくらと取引所が最低額を決めていました。これがスパンですと、お客様の取引によるポジション(取引の結果)が価格変動によって生じるリスクをもとに証拠金の額が決まります。

大きなメリットとしては、同じ商品で限月（げんげつ）の異なる同じ枚数の売りと買いの組み合わせのポジションを取る｢さや取引｣を行う際の証拠金が、これまでより少なくなります。リスクに応じて毎月JCCH(日本商品清算機構)が定める額も、例えば金については81,000円と12月の105,000円より少なくなります。ドットコモディティにおきましては、金額が変わらない粗糖以外、すべての商品で証拠金の額が少なくなります。むやみに取引量を多くしない、というのは投資の基本ですが、コモディティ投資を理解した投資家にとって資金効率が向上することは大きな利点となります。
なお、ドットコモディティでは、スパン証拠金とこれまでと同じ｢枚数合算型」とを、お客様が日々自由に選択できるようにしています。

また、大豆やとうもろこしを上場している東穀取(東京穀物商品取引所)の取引が、これまでの板寄せ取引（時間を決めてせりを行って、価格を決定し、その価格で取引を成立する方式)から東工取(東京工業品取引所)のシステムを利用してのザラバ取引(取引時間中随時継続して取引を成立する方式）に変わります。取引時間も、これまでの9:00～15:30に加えて17:00～23:00の夜間取引が加わり、投資機会が増えます。

2011年、新たな変化が、ドットコモディティのお客様、コモディティに携わるすべての人にとってよいものとなることを確信いたします。

（お詫び）
本内容につきましては2010年12月30日に作成されたものです。掲載が遅れてしまったことをお詫びいたします。