これでわかった!金融商品取引法

2010/01/09(土)13:25

平成20年改正金融商品取引法(7)

改正金融商品取引法(38)

平成21年改正金融商品取引法の「売出しの定義の改正」「私売出しの実務」につきましては、こちらの完全解説をご覧ください。 <特定勧誘等の取引の原則> 特定投資家私募や特定投資家私売出し(特定勧誘等)に該当するためには、まず、発行者が、「特定証券情報」と「発行者情報」を提供又は公表していることが条件でした。 特定勧誘等に該当するための次の条件は、金融商品取引業者等が、仲介に入らなければならないという原則を満たすことです。 例えば、特定投資家私募の場合、発行者が直接投資家を探してきた、発行者と投資家が直接取引をした場合、この取引は、特定投資家私募に該当しません。 特定投資家私売出しの場合は、既に発行された有価証券を所有している投資家が、別の投資家を探してきて、直接、投資家同士で取引をした場合、この取引は特定投資家私売出しに該当しません。 どうしてでしょう。金融商品取引業者等を儲けさせるためでしょうか。 <金融商品取引業者等の仲介の意味> どうして、金融商品取引業者等が仲介に入らなければ、特定勧誘等に該当しないと金融商品取引法が規定しているのか。この謎(?)を解くためには、金融商品取引法の「特定投資家私制度」を理解していることが必要です。 適格機関投資家、国(日本)、日本銀行と上場会社、資本金5億円以上と見込まれる株式会社、金融商品取引業者(第二種・投資助言等のみ)、外国法人などは、「特定投資家」です。 特定投資家私募も特定投資家私売出しも、この「特定投資家」の間でのみ流通することが原則です。(少ないですが、例外があるため、原則と書きました。) 特定投資家制度の特徴の一つに、適格機関投資家、国、日本銀行以外の特定投資家は、金融商品取引業者等に、特定投資家以外の投資家(一般投資家)として取扱うように申出ることができます。そして、金融商品取引業者等は、その申出を承諾する義務があります。 ここでピン!ときた読者の方もいらっしゃると思います。 そうです。投資家が、特定投資家であるか、一般投資家(特定投資家以外の投資家として取扱うことを申出た特定投資家を含みます)であるかは、金融商品取引業者等でなければわかりません。だから、特定投資家私募も特定投資家私売出しも、金融商品取引業者等が仲介しないとダメだと金融商品取引法は規定しているわけです。 特定投資家私募の場合、発行者では、取引相手となる投資家が特定投資家であるか一般投資家であるかの区別をつけることが、特定投資家制度があるため、理論的にできません。 特定投資家私売出しの場合も、既に発行された有価証券の所有者が、取引相手となる投資家が特定投資家か一般投資家かを区別することは不可能です。 この結果、特定勧誘等は、金融商品取引業者等が、取引の仲介に入らなければならないわけです。 今日は、ここまで。 続きは、明日以降お話します。 金融商品取引法について何かわからないことがありましたら、ホームページ「これでわかった!金融商品取引法/総合情報編」の「お問い合わせ」から、お問い合わせください。 お問い合わせは、必ず、ホームページのフォームからお願いします。お電話のお問い合わせには回答しかねますので、ご了承ください。 行政書士は法律で守秘義務が課されています。秘密は厳守しますので、ご安心ください。

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