小学生の時読んだ「ユンボギの日記」(「あの空にも悲しみが」)が
大島渚監督によって映画詩のような映像作品になっていたと知って観に行く。
テレビ・ドキュメンタリー「青春の碑」の取材で韓国を訪れた
大島渚が撮影した写真では1964年当時のソウルの少年少女がこちらに瞳を向けている。
イ・ユンボギ、君は10歳の韓国少年...というナレーションが波打つと
ユンボギがひとりではなく、韓国に多くいたこと、
普遍的なリアリティとなって迫ってくる。
この機会に目を赤くしながら原作を読みかえした。
あの空にも悲しみがと清らかな心の涙を流し
空を見上げる姿に尹東柱の詩も思い出された。
死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥辱なきことを
葉あいにそよぐ風にも
わたしは苦しんだ。
星をうたう心で
すべての死んでいくものを愛さなければ
そしてわたしに与えられた道を
歩みゆかねば。
尹東柱はキリスト教を信仰していて
ユンボギはキリスト教徒ではなかったけれど...
同じハヌル(空/天)の下、苦しみの中
清らかな心を持って生きようとする気骨が共通すると感じた。
ハヌルと韓国人とその魂の清々しい共鳴。
原作にはないフレーズ、
唐辛子は煮詰まっていよいよ辛くなる
と繰り返される小松方正のナレーションも心に残る。
大島渚脚本のその一節により
半島の気質と運命を象徴するコチュジャンがスチル写真にからまって映画に凝縮していくのが目に浮かぶ。
スチル写真をフィルムで撮影して映画にする手法も(韓国への関心とははなれて、技術的に)興味深い。
後で行った
ウィリアム・ケントリッジ/歩きながら歴史を考える/そしてドローイングは動き始めた……展で見た、
「動くドローイング」アニメーション・フィルムに通じる手法への映画製作的関心が結びつく。
スチル写真をフィルムで撮影して映画にする手法は
のちに『忍者武芸帳』でも採用されたそう。
to be continued...!?
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