(あらすじ)
両江道(リャンガンド)ポチョンボ里に住む
小学校4年生のジョンス(キム・ファンヨン)の夢は
首都のピョンヤンに行くこと。
学校の金属集めノルマで
目標を達成すれば
ピョンヤンに行かれるかもしれない。
同級生の助けも借りて
ジョンスはピョンヤンに行かれそうになったが...
校長先生は
ピョンヤンは海外のメディアが撮影に入るので
背の低い子はだめだし
見栄えの良くない子もダメ、といろいろ理由をつけて
金属集めで貢献したにも関わらず
結局ジョンスはピョンヤンに行かれなくなってしまう。
失意のどん底にいたジョンスは
林の木に引っ掛かっている風船と
風船に結び付けられている袋を見つけた。
袋を開けると中には
音楽を奏でるクリスマスカード、
おしゃべりするロボット
きらきら点滅するサンタの帽子などが入っていた。
韓国から国境を越えて届いたクリスマス・プレゼントだった。
栄養失調で病気になり
入院している弟にロボットをあげて
はげまし、元気づけようとするジョンス。
国境の北の子どもたちにも
クリスマスは、サンタクロースは訪れるのだろうか...
南に渡って来た人が共同プロデューサーということで
リアルな北の現状が描かれる。
政権批判もある。
米国よりひどい、と子どもたちに非難される軍人。
ガソリンを持って渡さなければ
病人を病院に搬送対応しない救急車など。
子どもたちの歯が一様に
茶色くなっているのは
カルシウム等が不足しているから、と見てわかるリアルな表現。
収容所の生活を
韓国に逃れた人々がミュージカル化した
『Yodok Story』の映画も観たけれど...
南に渡って来た人々が
そんなふうに映画やミュージカルで生や生活を表現し、
また製作に仕事として携われる環境が醸成されつつあるかもしれないという
現状にも注目しながら観ていた。
創作・製作の仕事をしているという現状
韓国で南北の人々が協力し合って製作している事実
そしてその製作のプロセスが
南の人には隣人を、苦難にある隣人を想起させ
北の人には、その創作の過程が痛みや苦しみを解き放つプロセスに
なっているであろうと思う。
映画の哀切ながらheartwarmingな内容にもさることながら
本作を取り巻く背景にも心があたたまる気がした。
上映後の舞台あいさつには
キム・ソンフン監督と北出身のプロデューサー、
ジョンスを演じたキム・ファンヨンが登場。
映画の中で小学生のジョンスを観ていたので
舞台あいさつに大学生が登場してびっくり。
7年前にクランクインした時は中学1年生だったそう。
2011年第48回大鐘賞映画祭新人男優賞にノミネートされていた
(残念ながら受賞しなかった)。
映画が上映されるまでの
長い歳月も感じた。
ここ数年製作・上映が増えてきている
脱北者をテーマにした映画だが
『両江道の子どもたち』(World Premiere)が
もっと前に
7年以上前に企画され製作、撮影が開始されていたことに
その先進性に驚いてもいた。
2010年、
ジョン・ギュファン/JEON Kyu-hwan 監督の『ダンスタウン/Dance Town』
チャン・リュル/張律監督の『豆満江/Dooman River』
2011年
間接的ではあるけれど
脱北が描かれている3D作品。
シン・テラ/Shin Terra監督の『27年後/27 years later』
など。
今年大鐘賞新人監督賞にノミネートされていた
キム・ソンフン監督は
イ・ジャンス『ラブ/Love』
キム・ギドク『Real Fiction』の助監督を務めていて
『両江道の子どもたち/Ryang-kang-do: Merry Christmas, North!』が長編映画デビュー作。
キム・ギドク監督の助監督出身で活躍する人たちが増えているなぁ、
最近の韓国映画(キム・ギドク監督最新作『Amen/アーメン』については後日書きます!)。
『映画は映画だ』(2008年)
『高地戦』(2011年)のチャン・フン監督
(『高地戦』も観たので後日書きます!)、
2010年
『Bedevilled/ビー・デビル』チャン・チョルス監督、
2011年『豊山犬』のチョン・ジェホン監督など。
ドラマ「ファンタスティック・カップル」などでおなじみの
イ・ソクミンもけなげな姿で出演。
to be continued...!?
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