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カテゴリ:映画
1,064席の座席数を誇る新宿ミラノ座が閉館。
閉館イベントに何日か駆けつけました(/_;) 2003年の日本公開時以来約11年ぶりに観た アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督 『インファナル・アフェア/無間道 Infernal Affairs』(2002年)。 当時と変わらない感想を抱いたものの... 気になったディテールを反芻しはじめると より深く映画の世界に入りそう... 2003年日本公開時のReview -=-=--==--==---===---==--==--=-=--=-=--==--==---===---==--==--=-=- 信と義の間のせめぎあいが重い。 自分の心の中の義や信と 他者との間の義や信との葛藤。 さらに、電脳世界でやわになっている 「自分は何者か」という保証や存在理由も関わってくる。 善悪二元論ではわりきれない。 アンディ・ラウが映画について(TV中国語会話で)語っていたように 人は一生の間で善でもあれば悪にもなる。 運命を入れ替えられたふたりの男の人生は まさにそれを象徴している。 善から悪にかわるのも苦悩するし 悪から善へ這い上がろうとする時、 どんな手段をとるか? 目的が善なら手段は悪でも受け入れられるのか? 心に闇を抱える。 人は誰でも清濁併せ持つけれど...。 だからこそ...『歎異抄』の言葉が浮かぶ。 「善人なほもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。」 これはこのことだったのか、と思う。 ふたりの進む道は、最初に選択した時からきまっていたのか 道はつくられたのか、 それはわからない。 無間地獄は寿命がある限り間断なく続くという。 悪から善へ交差する前の来し方をふりかえれば 心をさいなむことは無間の如し。暗黒を胸に秘めて生きていかねばならない。 無間地獄は、ダンテの言う煉獄だからInfernal? ただ、 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の 悪行を繰り返したあげくに行ったただ1つの小さな善が掬いあげられたように 変わろう、変われると信じて変わった時 無間道からはずれることもできるのではないか、というメッセージも感じられた。 「いわんや悪人をや。」 そして、義を貫いたヤンも 信を貫いたラウも、それぞれ新しいHEROの像のような気がした。 杜可風が撮影に関わっていて美しい映像。 高層ビル群のmirror wallsに ぬけるような空や雲が映りこんでいるのが印象的。 地上で暗黒にさまよい苦悩する魂の持ち主たちと対照的に 爽快でからっぽな美しさ、闇のない鬼界のように、 うつりゆくものの儚さのように感じられた。 -=-=--==--==---===---==--==--=-=--=-=--==--==---===---==--==--=-=- サム(エリック・ツァン)が中国映画を観ながら 出演しているコン・リーを「醜い女だな」と言っているのが象徴的。 返還後の香港の立ち位置、 香港人の心境、深層心理が表れている。 続いて 『インファナル・アフェア 無間序曲 /無間道II Infernal Affairs II』も約10年ぶりに。 2004年日本公開時のReview、地の代父 -=-=--==--==---===---==--==--=-=--=-=--==--==---===---==--==--=-=- ゴッドファーザーは生まれる子を祝福し、 香港のボスは父祖に礼を捧げる。 コッポラのゴッドファーザーが神に祈り 神に代わって祝福する天の代父(ゴッドファーザー)なら 『無間序曲』のハウは地に伏し祈る地の代父。 オープン・エアの食堂で 父親の死を悼んで礼をし酒を地に吸わせるかのように グラスのビールをアスファルトにこぼすシーンが印象的だった。 次の世代を祝福する父代わりのゴッドファーザーと 前の世代に礼節を尽くす香港のボス。 未来と過去、向く方向の異なるところに西洋と東洋の違いを少し感じたりもした。 『無間道』は謎がスリリングだったけれど こちらはPartIのバックグラウンドに踏み込んでサスペンス色は薄れたが それぞれの過去、それぞれの心の痛みが感じられる気がした。 そしてヤンの心には 「善人になりたい」という稀有な思いが昔から宿っていたことを この『無間序曲』で確信できてよかった。 4人を整理するシーンは『ゴッドファーザー』のあのシーンと似て ボスはアリバイを証明できる場所にいながら 部下が同時にそれそれ別の場所で冷酷に整理し処理する 同時多発、synchronisity、 そんな映画の進行が『ゴッドファーザー』とparallel(平行)だった。 返還の変化が行き交うシーンも 善悪の交錯に新旧香港の交差と本土(中国)との関わりが示唆され 重なりあって混沌を増し興味深かった。 男の群像劇に蔡琴の歌声が低く地を響かせ真空管を揺らし lullabyかrequiemのように聞こえる。 -=-=--==--==---===---==--==--=-=--=-=--==--==---===---==--==--=-=- 当時も言及していたが... 台湾の武器商に中国タンカーの遠景等 香港の立ち位置を示唆するショットも印象的。 引き続き『インファナル・アフェアIII 終極無間 /無間道III:終極無間 Infernal Affairs III』 2005年日本公開時のReview(ちょっとだけ...) 時制を少しずらしたモンタージュ的演出がサスペンス色を増す。 善になりたいと願ったラウが 生き延びるために ヨンを悪に仕立て 半ば妄想と悪夢と奸計の渦に絡め取られる姿が 地獄の真の意味を伝える。 引き続きスコセッシ監督によるリメイク 『ディパーテッド The Departed』。 2007年日本公開時のReview 当時は香港版と比較してやや厳しい目で観てしまっていたが(^_^;) アメリカ国旗が半旗になるかどうか、 彼らの目指すもの、彼らの道の険しさもあらためて沁みて来た。 ディカプリオもマット・デイモンの演技も見ごたえあった。 さよならミラノ座 1 さよならミラノ座 2 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 21, 2024 06:39:49 PM
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