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カテゴリ:映画
ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー
ベン・オトゥール、オースティン・エベール、ジョン・クラシンスキー アルジー・スミス、アンソニー・マッキー出演 マーク・ボール Mark Boal 脚本・製作 キャスリン・ビグロー Kathryn Bigelow 監督『デトロイト Detroit』(2017年) 1967年のデトロイト暴動 Detroit's 1967 12th Street Riot の際発生した アルジェ・モーテル事件 Algiers Motel incident を題材にしている。 (編集の一人、Harry Yoonは韓国系かも) (以下、映画の核心に触れる部分もございます) アカデミー賞にノミネートされなかったのは残念。 当時の司法の機能不全も絡み 現在も続く白人警官による黒人への発砲・殺害にも繋がるが... 他にもノミネートから全く外れていた作品もあるから アカデミー賞はそういうもの、なのかもしれない。こんな諦念は今に始まったことではない... 映画化した意味と意義はある。 しかし、 Zeba Blay "‘Detroit’ And The Problem With Watching Black Pain Through A White Lens"や Mary Phillips "‘Detroit’ Is The Most Irresponsible And Dangerous Movie Of The Year"に便乗して 「デトロイト反乱を正義と人権を求めるための 公民権運動の一部として描いていない」と映画を断罪する日本人たちには驚いた。 本当に映画を観たのだろうか。 映画はアルジェ・モーテル事件を題材にしていて デトロイト反乱全体をドキュメントしたものではない。 マイノリティである私の眼には クエンティン・タランティーノ監督『ヘイトフル・エイト The Hateful Eight』にも通ずる、 白人に囲まれた黒人の恐怖「白い地獄」の夜がまず描かれていた。 そしてそれが市民たちの心を傷つけ後々まで尾を引いていた(PTSDのように)ことも。 マジョリティである日本人は鈍感過ぎ感性も鈍すぎて 人種差別やヘイトクライムに無知すぎて恐らく気づかないのだろう。 マイノリティとしては 白人警官に囲まれた恐怖に加え 白人女性のジュリーとカレンがいつ嘘をついて向こう側に行かないかどうか という緊張感と不安、恐怖にも観ながら苛まれた(結局、その場の白人「女性」も痛めつけられる側だったのだが)。 『ヘイトフル・エイト』でマニックスがどちらに転ぶのかという心臓が飛び出しそうなほどの恐怖にも似た。 マジョリティ日本人がそういったマイノリティの抱える恐怖心や不安に気づかず あるいは無視し無効化して「白人視点」だと言っても説得力はない。 例えば日本軍従軍慰安婦にされた朝鮮人慰安婦が日本の軍人に親切に接していた、 という一面的な幻想で描いた映画等の日本人視点は間違っている、と 過去に指摘出来ていたのならともかく 日本の問題は都合よく無視し看過し 白人視点の黒人映画だから、と便乗して恥ずかしくないのかしら、と呆れもした。 ザ・ドラマティックスのラリー・リード Larry Reed が事件後白人を見ると声を出せなくなり 歌うことが出来ない、困難に陥ったということも アルジェ・モーテル事件でそこまで傷ついた人がいる、と 個人の傷ついた人生、個人の傷ついた心を伝え 21世紀の日本で同様の被害に遭っている民族マイノリティの、 ヘイトスピーチやヘイトデモのせいで表札を出せない 外出もできない、SNSもネトウヨに絡まれ攻撃されるから使えないという日本の現実と重なった。 声を奪われてしまう悲しみ苦しみに心が痛みながらも デトロイト反乱、アルジェ・モーテル事件という大きな主語ではなく マイノリティがさまざまな意味で沈黙させられた、という個人的な心の痛みが重く描写されていると感じた。 もう一人の主人公、 メルヴィン・ディスミュークス Melvin Dismukes は制服を着ていても それは民間の警備会社のもので 警察官の制服ではなく公権力もない立場で アルジェ・モーテルでは手も足も出ない、出せない状態で また別の意味で沈黙を強いられていた。 非力で無力なまま立ち会い目撃せざるを得ないという恐怖と心の痛みも描かれていた。 黒人と白人の非対称性が改めてまざまざと。 傷ついた黒人の市民たちの中から特に二人の個人的な痛みを通して 一人は音楽を諦めてしまうまでに至った悲劇的なアルジェ・モーテル事件が描かれていた。 事件のショックからモータウン / ソウル・ミュージック ザ・ドラマティックス the Dramatics を脱退した ラリー・リードのことは忘れない。忘れられない。 彼は音楽で表現する自由、「声」を奪われたのだ。 それは差別やヘイトスピーチのために 表現する自由、「声」を同じように奪われたある在日女性とオーヴァーラップもした。 声を出せない、沈黙を強制されたマイノリティの苦しみ悲しみは普遍的だ。 余談ですが以前もエイミー・ワインハウス関連で書いていたかもしれない、 Amy Winehouse の Me & Mr. Jones は ビリー・ポール Billy Paul の Me And Mrs. Jonesにインスピレーションを受けた返歌のような曲で ザ・ドラマティックスもビリー・ポールをカバーしていた。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・ 盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 15, 2024 02:44:32 AM
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