スペンサー・ストーン Spencer Stone
アンソニー・サドラー Anthony Sadler
アレク・スカラトス Alek Skarlatos
ジュディ・グリア、ジェナ・フィッシャー出演
クリント・イーストウッド監督
『15時17分、パリ行き
The 15:17 to Paris』(2018年)
高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件2015 Thalys train attack に
勇敢に対応した3人のアメリカ人青年を描く。
(以下、映画の核心に触れる部分もございます)
cinéma véritéのテイスト、
或いは
例えば
キム・ギドク監督がキム・ヨンミンに一人八役を演じさせたような実験性、
(もちろん「実験」の内容、方向性、選択は違うが)
近年市井のヒーローを描く傾向のイーストウッド監督のテーマが突き詰められて
市民ヒーロー即ち役者でない市民本人を使って再現する、という極地、化学反応に
ランディングした趣。
あなたの隣のヒーローをスター俳優が演じるのではなく(前作はトム・ハンクスが演じた)
あなたの隣のヒーローは隣のお兄さんそのもの、という等身大で
身近で観客の目の高さで。
ただ、少し同情してしまうのは
悶々としたモラトリアムに沈んでいたあの頃の自分を
彼らが辿り直し再現するのに少しも葛藤はなかったのだろうか
とふと心配し同情したりも。
「ヒーロー」になったあと、承認され称賛された後では
もはや清々しく吹っ切れて心は痛みもしないかもしれないが。
また、少々深読みすれば...
前作『ハドソン川の奇跡
Sully』のパイロットはその名前 Chesley "Sully" Sullenberger から
移民と察せられ(スイス・ドイツ系移民の子孫)
アメリカを構成するさまざまな出自の一人、移民のひとりが
ヒーローとして描写されているとも捉えられたが
今作もアレク・スカラトスはギリシャ系移民の子孫。
移民で構成され移民で成り立つ
移民があなたの隣のヒーローという、
「そんな私たちのアメリカ」への肯定、肯定感も感じさせる。
一方で、
戦地で死んだ米兵から銃を集めるアフガニスタンの現地の市民の描写は
まるで未開の人を描くような、あるいは未開の人を見るような
アメリカ側の「視線」が濃厚で
観ながら若干の嫌悪感を抱かずにはいられなかった。
こちら側即ちアメリカ側と
向こう側に切断処理し隔離し分離するような視線の余韻が苦くもある。
監督の視線、まなざしというよりは
(911を経た)アメリカ側大半の、あるいは米軍の視線が切り取られていたのかもしれないが。
『アメリカン・スナイパー AMERICAN SNIPER』で
監督のレンズ/フレームとスナイパーのファインダーで
視点・視野が二重になっていたように。
しかし、やはり白人男性というマジョリティ或いは権威・権力側の視線ということで、
監督と現地の米兵の視線は重なっている可能性もあり、嫌悪感は残った。
どうやらまっすぐな愛国心、やヒロイズムへの疑念や葛藤が提示されないと
余計に白人男性的レプリゼンテーション representation が拭えなくなるが
上記の、アフガニスタンでのシーンと視点はメインではなく枝葉ゆえか
多様性も多文化もない容赦なき米兵視点である一方
あなたの隣の3人のヒーローは(偶々子ども時代にそう出会ったのだが)
アメリカという枠内では多様性を体現し、葛藤なくすんなり多様性を受け止めたまなざしで
視点の使い分け、視線の格差も演出上あるのか、ともやもやした余韻も残した。
to be continued...!?
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