くれーじーくえいる ぶろぐ

2015/11/15(日)07:55

創業者の夢が今空を飛ぶ

エセ軍事マニアの呟き(361)

 バイク・自動車だけでなくロボット開発などの異業種でも実績を挙げている本田技研工業ですが、そのホンダが新たに進出しようとしているのが欧米の小型ビジネスジェット機市場です。元々創業者の本田宗一郎が空への強い憧れを抱いていたことから、1962年には早くも航空機事業への参入を宣言し、80〜90年代にかけて実験機MH02を開発するなど地道に研究を進めてきました。  そのホンダの子会社であるホンダエアクラフトカンパニーが開発した初の小型ビジネスジェット機『HondaJet』(ホンダジェット)が、去る今月23日に東京・羽田空港に初飛来し、来月4日まで日本国内での一般公開イベントを行うことになりました。  1997年に正式に計画開始したホンダジェットは、全長12.71m・全幅12.15m・乗員数6〜8人の双発小型ビジネスジェット機で、機体だけでなくエンジンも独自開発(米GEとの合弁子会社で生産)というのは世界的にも珍しいそうです。また、一般的な双発ビジネスジェット機では胴体後部に配置されるのが主流なエンジンを過去には旧西ドイツのVFW614旅客機位しか前例のない主翼上面に配置するという独特の外観も特徴で、騒音軽減や胴体内スペースの確保等の利点があり、エンジン性能と相まってクラス最高レベルの巡航速度や燃費性能を実現したとのことです。  今後、今年前半頃に予定される米FAA(連邦航空局)の型式証明取得を経て本格的な販売・納入が始まる予定で、現時点ですでに100機以上の受注を獲得済とのことです。当面はビジネスジェット市場の活発な海外での営業がメインになりますが、日本でも2020年の東京オリンピックに向けて政府が主要空港でのプライベートジェット受け入れの態勢整備を進める方針で、将来的には日本での営業も視野に入ると思われます。  ホンダジェットの一般公開イベントは来月4日に岡山でも開催される予定ですが、すべて事前抽選制なのが残念なところ。せめて飛行場の外から眺めるだけでもと思いましたが、正直岡山まで出かける金がない・・・(苦笑)  あと、軍ヲタ的には自衛隊での導入をつい夢想してしまいますが(笑)、機体サイズ的にはかつて使われていた三菱MU-2の長胴型より少し大きい程度で、空自現用のU-125より一回り小さいとあっては正直使い所はあまりなさそうではあります。  何はともあれ、すでに100機以上の受注獲得ということでまずまずの滑り出しに見えるホンダジェット。しかし、国産ビジネス機の先輩たる三菱MU-2は総計762機を生産しながらビジネスとしては赤字で終わっただけに、業界では後発のホンダが今後どこまで販売を伸ばせるか注目したいところです。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る