米原万里を悼む
ヨーコさんの紹介でユリイカの1月号を借りてきた。 米原万里の特集。まだ、少ししか読んでいないが、今日読んだ面白かったところ・・・ヨシフ・ブロツキーのノーベル賞受賞講演から。「もし我々が支配者を選ぶ時に、候補者の政治マニフェストではなく 、読書体験を選択の基準にしたならば、この地上の不幸はもっと少なくなることでしょう。そう私は信じて疑いません。我々の支配者になるかもしれない人間にまず尋ねるべきは、外交でどのような路線を取ろうと考えるかということではなく、スタンダールやディケンズ、ドストエフスキーにどんな態度をとるかと言うことであるー私はそう思います。文学の日々の糧が人間の多様さと異様さだと言うこと。そのことひとつをとっても、文学が結局、人間存在の問題を全体的に、大衆的に解決しようとするどんな方法に対しても解毒剤となることが判るでしょう。少なくとも、道徳的保証の体系として、文学はどんな信仰の体系や哲学の教義よりもはるかに効果的なのです。略文学に対するさまざまな犯罪の中で、作家の迫害、検閲による規制、焚書といったことが一番重い犯罪だというわけでは有りません。もっと重い犯罪があるのです。それは本を軽視すること、本を読まないことです。」 これを聞いた米原さん。「今の引用で思い出したんですけど、そういえばサダムフセインが洞窟で捕まったときに読んでいた本が、「罪と罰」でしたね。それで小泉首相の愛読書は「ああ同期の桜」だって言うじゃないですか?(笑)」何だか返すのが嫌になってきた。いずれ買ってしまいそう・・・ヨーコさん、バナーこんなんでどうでしょう?クシャナはこれしか良いのが見つかりませんでした。