人力車をタクシー代わりに
神谷バーを出てすぐに人力車のお兄さんに声をかけられた。今までも浅草を歩く度に声をかけられたが、いつも無視して歩き過ぎた。だから今日もかなっと…「行きたいとこがあるんだけど、行ってくれるかなぁ?」「コース以外でも行ってくれるんじゃないの?」「乗ろうか?」えっ?えー?マァージィ?相方はさっさと交渉を始めた。「今戸神社と待乳山聖天に行きたいんですけどねぇ。いくら?」神谷バー前がスタートで一回りして戻ってくると1万2千円(45分料金)だそうだ。もちろん、2人分。お参りする間も待っていてくれる。でも高いよ。遠方から観光で来たのなら、それも旅のいい思い出だろうけど、いつでも来れる距離に住んでいて45分1万2千円は高い。すると、お兄さんの方から提案。「片道ならお二人で6千円のコースもありますよ。」相方、その提案に乗ってしまった。神谷バーの前から二天門、二天門から墨田公園に沿って待乳山聖天の横を通り今戸神社で降りた。二天門の前とスカイツリーをバックに墨田公園で、写真も撮ってもらった。人力車には修善寺で乗ったことがある。なかなか気持ちイイ。今回は暗くなってから乗ったので、周りの景色がいっそう美しく感じられた。大人が人力車に乗るなら、絶対夜だね!11月だということもあって、幌をかぶせる。したがって、周りからこちらは見えにくい=恥ずかしさが半減する。それに、なんといっても、クルマのテールライトやそれこそそこらの信号にさえもいちいち感動してしまうほど、キレイに見えるのだ。人力車のお兄さんもなかなか面白く商売上手。楽しかったよ!今戸神社まで人力車で行き、お散歩しながら駅まで戻る予定。電車に乗る頃には相方の酔いも冷めるだろう。まずは今戸神社。お兄さんの話しでは招き猫発祥の地らしい。たしかに招き猫がいたけど、狛犬は普通に狛「犬」だった。狛猫ってわけにはいかないんだね。相方は「今戸心中」がどうのこうの、と言っていた。今戸心中というのは、広津柳浪の小説で、愛人と別れた遊女が大嫌いな男と今戸河岸で心中する話。心中するまでの女心の機微を描いた小説だ。明治時代の話だけど、遊女の心理としては現代の女性の心理と共通するところもあれば、大きく違うところもあるだろう。今度、読んでみるかな…。10分ほど歩いて待乳山聖天へ。ここは浅草名所七福神の毘沙門天。龍が守護している小高い丘の上にあり、浅草寺の山号(金龍山)の由来となったと伝えられる。「ずっと前に来た時にはもっと高い印象だったんだけどなぁ…」と相方は周囲を一回り。「ねぇ、大根1本200円って書いてあるよ?」「ここね、大根をお供えするんだよ。」大根…なんで大根限定なんだろう?1月に「大根まつり」というのがあるそうだ。待乳山聖天から浅草寺へ。昼間の混雑はもうなく、ライトアップされた浅草寺がとても綺麗。浅草寺の裏手に回り込むと、左端の方に市川団十郎の「暫く」の像がある。相方は「暫く」を見たくてわざわざ裏手に回ったのだが、そこは照明がなくとても暗くて、いい写真が撮れなかった。花やしきの前を通って国際通りに戻る。