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カテゴリ:日常
「そろそろイカを見に行かなきゃ。」相方が言った。
「イカ?」 「ダイオウイカだよ。たしか9月いっぱいだった。」 ああ、ダイオウイカ! 6月に上野の国立科学博物館に行ったときにポスターを見て「今年の夏はコレだ!」と決めていた。 相方は、ダイニングのカウンターの上のメモ帳に「ダイオウイカ、7/6~10/6」と書いた。 いつのまにか「マンモス・ユカ、7/13~9/16」と追加も書いてある。 「行くなら夏休み期間とか土日は外したほうがいいね。夏休み前に行っちゃうか、9月に入ってから行くか、だね。」 なんて、メモ帳にまで書いて予定をたてても、相方はギリギリまで腰をあげない。 だいたい、お父さんちに行ったのだって9月も終わろうという頃だった。 お父さんとダイオウイカやユカちゃんを秤にかければ、当然お父さんのほうに比重が傾くわけで、ダイオウイカやユカちゃんは後回し。 実際の重さはお父さんのほうがはるかに軽いけど、大事さという意味でね。 ダイオウイカに行ったのは9月最後の土曜日だった。 土日は外したほうがいいって言ってたの、誰だっけねぇ? マンモスのユカちゃんなんて、とっくに終わってた。 9月28日、土曜日。 相方は早起きしてパソコンに向かい、仕事を片付けていた。 2時過ぎにキリのいいところでお出かけ。 上野駅のチケット売り場で入場券を買うと… 「ただいま1時間待ちですが、よろしいでしょうか?」 ええー 1時間待ちって、中に入ったら4時じゃん! 5時で終わりだよね? でも今日を逃したら、もう来れない。 とりあえずチケット2枚購入。 少しでも早く入場しようと、西洋美術館の前庭を横切って博物館へ。 博物館の前はすごい行列。 夏休みは終わっていたので小さな子供連れより、大人同士が多かった。 きっかり1時間並んで中へ。 まず最初のコーナーは深海の世界はどういうところかという説明。 深海と言われるのは水深200メートルを超えるところで、太陽の光りは届かず水温も低い。 当然水圧もかかる。 宇宙に比べ、同じ地球の深海がまだ未開発なのは、この水圧に問題があるからだ。 真空状態のところに飛び出していくよりも、大きな水圧の中に潜っていくほうがはるかに難しいのだ。 だから、謎がいっぱい。 次のコーナーは潜水調査船や無人探査機など。 うわあー、「しんかい」だ! カッコイイ! と思ったら、後でパンフレットをよく読んだら模型だった。 「しんかい6500」は深度6500メートルまで潜ることができる有人潜水調査船だ。 日本近海に限らず太平洋、大西洋、インド洋などで深海生物の調査だけではなく、海底の地形や地質調査などを行っている。 どうだ、カッコイイだろう。 水深6500メートルとなると水圧は約681気圧にもなる。 耐圧殻は厚さ73.5ミリのチタン合金だ。 パイロット2人と研究者1人の計3人はこのチタン合金で水圧から守られている。 マニピュレーターというアームで海底の岩石や生物を採取する。 このマニピュレーターは水中で100キロの物を持ち上げられるのだ。 しんかいの投光機は7灯あるが、1灯でクルマのヘッドライト3~4コ分もある。 ところが海水の条件がよい海域でも水深200メートルを超えると、全灯つけても視程は10メートルくらいだそうだ。 主人公はダイオウイカなのに、私はすっかり「しんかい6500」にエキサイト。 あとは深海の生物たちの標本が続いた。 肝心のダイオウイカは人がすごすぎてよく見えなかった。 おまけに大きいので、前に行ったら行ったで全体が見れない。 なんてこったい。 でも、ものすごくデカイやつだということは実感した。 なんてったって、成長すると18メートルにもなるのだ。 そして深海シアター。 2012年に初めて動画撮影されたダイオウイカの映像だ。 これは7月にNHKで放映されたもの。 壁いっぱいのスクリーンで見ると、すごい迫力だ。 ロマンだねえ… そしてショップへ。 ショップでは誰が買うのか、でーっかいダイオウイカのぬいぐるみを売っていた。 20万だそうだ。 …いらない。 ぬいぐるみはいらないけれど、いい大人がダイオウイカとこんなショットも撮っちゃいました。 ショップまで来たところで閉館の時間。 大急ぎでクリアファイルを引っつかんでレジへ。 相方の商売柄、クリアファイルならいくらあってもいい。 どこへ行ってもクリアファイルは必ず購入する。 外へ出ると上野公園は初秋の夕暮れ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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