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2010/03/12(金)19:34

『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』 (2007) / イタリア・フランス・スペイン・ドイツ

洋画(か行)(77)

原題: CARAVAGGIO 監督 : アンジェロ・ロンゴーニ 出演 : アレッシオ・ボーニ 、 クレール・ケーム 、 ジョルディ・モリャ 、 パオロ・ブリグリア 、 ベンヤミン・サドラー 鑑賞劇場 :銀座テアトルシネマ 公式サイトはこちら。 <Story> 16世紀のイタリア。 ローマにやってきた画家のカラヴァッジョ(アレッシオ・ボーニ)は、やがて絵の評判を聞きつけたデル・モンテ枢機卿(ジョルディ・モリャ)の援助により、教会の絵に着手することになる。 完成した聖堂の絵は多くの人々の賞賛を浴び、彼の名声は高まる。 その一方、無名時代からの友人たちとの放蕩三昧、喧嘩、娼婦たちとの付き合いに眉をひそめる者たちもいた。 やがて権力者の庇護も失い、決闘で相手を殺してしまったカラヴァッジョは死刑の判決を受け…。 カラヴァッジョ 天才画家の光と影 - goo 映画 <感想> イタリア映画はあまり詳しくはないですが、芸術関係ということで興味を惹かれて行ってきました。 カラヴァッジョについて よく読むと、ラストの展開が実話と若干違うようにも思えたんですが・・・? あるいは映画が実話なのか。 ここは調べると面白いかもしれません。 当時は宗教画で名声を上げる画家がほとんどだったし、またどの枢機卿に庇護を受けるかということも画家にとっては生活を左右することだった。 宗教画の解釈も、派閥によっていろいろであったし、敵対する人物を追い落とすがためにその人物が庇護していた画家の作品に難癖を付けるなどは恐らく当たり前だったのだろう。 だから、大多数をうならせるだけの実力の持ち主であるとか、解釈が斬新であるということが大変重要になってくる。 そしてその教義の解釈が教会を怒らせたなら火刑になってしまうだけに、描く方のプレッシャーは並大抵ではなかっただろうことが推測される。 邦題の「天才画家の光と影」がまさにそのものずばり言い表しているのですが、カラヴァッジョの天才的な素質を輝かせたのは、彼が主張した「光と影のコントラスト」に他ならない。 光のそばに立ってみる。 真下なのか横からなのか。 それによっても無数に表情のパターンが違ってくる。 その中から彼が閃いたものが絵になっていく。 それには空想ではなく、実際にモデルを使っていかないといけない作業だっただろう。 恐らくコストとしても莫大なものがかかったのではないだろうか。 そうやって築いた名声も、彼の性格の前にあっさりと崩壊して行ってしまう様もまた、芸術家ならではと言うべきものだろうか。 彼にしてみれば、単に情が厚いということなのだろうし、大事なものや自分のプライドを傷つけられた代償に相手と戦うわけですから。 ただしそれがもたらす影響の方が大きかったということです。 そしてそれが、この映画がいかんせん長すぎる印象の原因ともなってしまあった。  2時間13分ということでしたが、彼の性格が災いして転落する→庇護者が現れるパターンがほとんどであったために、観ている方も展開が読めてしまう。 つなぎの部分などは少々間延びした描き方になってしまっているのが残念。 もしも彼がこれほど激情型の性格ではなかったら、恐らく彼の生涯ももっと違ったものになっていただろう。 しかしながら、この性格だからこその作品であり、穏やかであったら果たして描けたかどうかはわからない。 その作品を生み出すだけの素質は少なからず性格から来るものだけに、芸術家らしい芸術家の生涯を観たような気がする。 ********************************** 今日の評価 : ★★★ 3/5点  

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