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テーマ:映画館で観た映画(8404)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: FROZEN RIVER 監督・脚本 : コートニー・ハント 出演 : メリッサ・レオ 、 ミスティ・アップハム 、 チャーリー・マクダーモット 、 マーク・ブーン・ジュニア 、 マイケル・オキーフ 鑑賞劇場 : シネマライズ 公式サイトはこちら。 <Story> 夫に新居購入費用を持ち逃げされた妻のレイ(メリッサ・レオ)は、支払期日までに金を工面しなければならなくなる。 ひょんなことから知り合ったモホーク族の女性ライラ(ミスティ・アッパム)から持ちかけられたのは、移民をカナダ側で車のトランクに積み、セントローレンス川を越えアメリカ側に不法入国させる闇の仕事だった。 儲けを山分けにすることを条件に手を組んだ二人は、首尾よく移民の国境越えを成功させるが…。 フローズン・リバー - goo 映画 <感想> 今年のアカデミー賞オリジナル脚本賞、主演女優賞にノミネートされた本作。 何といっても公開館が少なくて、なかなか時間が合わず~。 ようやく観てきました。 物語自体はまさに現代アメリカが抱える問題を描いています。 移民の国境越えはどちらかといいますと、アメリカ=メキシコ国境の方がよく知られていると思いますが、カナダ国境にも存在したんですね。 セントローレンス川が凍てついた時期に川を渡って・・・というのも、逆にその習性を逆手に取った方法と言えるでしょう。 そしてそこで運ばれる人々にも、重たいものが背負わされている。 それを淡々と運ぶ人々にも。 ヒロインのレイが抱えている問題もまた、現代アメリカを浮き彫りにしているといった印象。 彼女たち一家が具体的に生活に困窮していく様は、観ていて痛い。 家財道具の細かなものまでもレンタルする、そしてその金額がべらぼうに高い(と感じたのは私だけなのかしら。年にあれだけ出すのなら買った方が安いようにも思いましたが)けど、家族が喜ぶためなら惜しみなく出す。 そう、この物語のポイントは、「家族が喜ぶためなら何でもする」ということなのです。 大事な家族を守るためなら何でもする。 それはレイもライラも、そして入国者たちも同じこと。 3組の家族の接点として、3人の母たちの想いが一致するシーンがあります。 何が何でも子を救う。 まさに共通の認識である「母」たる想いが彼女たちを動かしたのでしょう。 モホーク族についても今回映画で詳しく鑑賞する機会となりました。 居留地内に生きる彼らには彼らの社会があり、掟もまだ厳然と存在している。 その中で暮らすことの厳しさというのも垣間見ることができました。 ライラだってレイだって限度を知っているからこそ引き際もわかっているし、その関係から生まれるものがあるとすれば、映画が終わった後にもいいものを築いていってほしいと感じました。 テーマ的には重ためですが、深く多方面からアメリカの病巣を描いた良作でした。 ******************************** 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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