2009/05/02(土)13:26
駄作?迷作? 「ひぐらしのなく頃に」 →安っぽさとご都合主義のオンパレード
●安っぽい作品だなぁ・・・
「安い」
「ひぐらしのなく頃に」をひと言で言うと・・・安い物語だと思う
なぜそう感じたのか? 言葉では説明しにくい・・・
物語が
精巧でなかったから?
一貫性がなかったから?
芸術的でなかったから?
美しくなかったから?
バランスが悪いから?
説得力がなかったから?
ご都合主義がすぎるから?
全部といえば全部だが、うまく言えない。
作者は作品をとおして「どうぞこの物語の謎を解明してください」という。
サウンドノベルという性質上、読者は作中のヒントだけを手がかりに、そこに自分の知識を重ねて推理するしかない。
だが、作中の陳腐でチープで現実とあまりにかけ離れていたら?
●たとえば、ある興ざめな2時間サスペンスドラマ
サラリーマンの怪死事件、場所は密室、死因は心臓発作。
容疑者は3人
・心臓外科医である男
・フランス外人部隊にいた男
・超能力が使えるという噂の男
刑事は2時間の番組のうち1時間50分必死に捜査する。
しかし、3人とも謎が多く、手がかりが掴めない。
そこに幽霊を見たという証言や謎の光の目撃。
事件は混沌としてくる。
だが放送ラスト10分になって、唐突にUFOと宇宙人が出てくる。
宇宙人は特殊なビームを使って男を殺したという。
男を殺した理由は、実はその男の子孫が、30世紀ごろ世界大統領になって
宇宙人の星を襲うと予言されたからだという。
そして呆気にとられる刑事を殺して、宇宙人はUFOに乗って去る。
こんな糞ドラマを2時間かけて見たら、あなたはどう思うだろう?
そんなトリックあるか!と激昂しても仕方ないだろう。
なんせ物語の終盤まで宇宙人の「う」の字すら出てこない。
作家の完全な後出しジャンケンだ。
たしかに、話のつじつまはきちんと全部合う。
物語全体としては(一応)矛盾がない。
しかし、間違いなく、つまらないことこの上ないだろう。
そして、意識してかせずか?
「ひぐらしのなく頃に」にはそういう手法が多い。
だから、この言葉が頭をよぎった
「安い・・・」
●良質な謎解きの最低条件
いいサスペンスやスリラーは、共通点がある。
それは「伏線」が見事に機能することだ。
良質な謎解きを見せられると、パズルのピースがパチン!と合う快感を感じる。
私が見た映画ではシックスセンスやTHE EYE、箪笥などがそうだろうか。
推理ものではシャーロック・ホームズや刑事コロンボなど。
私の好きな海堂尊の「チーム・バチスタ」や「ジェネラル・ルージュ」もそう。
マンガだが「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部・東方仗助編(クレイジーダイヤモンド)もそうだった。
でも「ひぐらし」にはそういった快感はなかった。
最後まで「パチン!」はなかった。
パズルのピースを合わせる代わりに
バラバラのパズルの上に、全く新しい絵を重ねて
そのまま額縁に入れられたような不快感が残った。
絵が完成されさえすればいいのか?
そうじゃないだろう・・・と思う。
結果、安っぽい絵だけが壁に残るのだ。
●プレーヤーが謎と思いこんでいたのは単なるバグ?
「ひぐらし」の設定に矛盾や間違い(=バグ)はあっても謎は浅い。
だが、矛盾を謎と思いこめば、読者は勝手に深淵を見た気分になる。
はたして作者はそこまで計算したのだろうか?
・・・文章から垣間見える詳細に拘る彼の性格からするに、最初から計算したわけではなさそうだ。
おそらく、話を広げすぎて、前半でちりばめた謎や伏線を収集できなくなった、そのあたりが真実だろう。