カテゴリ:水のメモ
表彰台で銀メダルを与えられたキム・ユナはぼろぼろと泣いていた。
![]() テレビ、新聞などマスコミはキム・ユナの涙を「引退の寂しさか?」と解釈しているようだ。 一方、キム・ユナの異常点が常識になっているネット上では「あれだけ点数を盛っても負けた悔しさ」という声が多い。 私の解釈はどちらとも同じで、どちらとも少し違う。 キム・ユナは採点の有利がなくても、間違いなく実力あるスケーターだ。 だが、韓国を出れば・・・ 「フィギュア・クイーン」の彼女は他の選手から尊敬されていない。 キム・ユナのようになりたいというスケート靴の少女もいない。 観客は彼女の演技に感動しておらず、会場は静まりかえっている。 200点以上のスコアが発表されれば、容赦ないブーイングが起こる。 ISUの影響下にない解説者は彼女の演技に冷淡で、他の優れた選手を賞賛する。 インターネットはキム・ユナの異常得点を指摘する記事であふれている。 キム・ユナは5歳からこれまで15年、必死に努力してきた。 天才ではあるが、平凡な天才であった彼女は、努力で一流スケーターになった。 ジュニア時代の浅田真央やキミー・マイズナー(米)との激闘は本物だ。 やがて、国際大会で勝つようになると「韓国の妹」と呼ばれ国民的スターになった。 2011世界フィギュアの曲は、韓国の魂「アリラン」をベースにした「オマージュ トゥ コリア」 まさに韓国を背負って・・・いや、背負わされて、世界フィギュアに臨んだ。 果たして、今回「も」キム・ユナはフリーでジャンプを2回失敗しながら「減点なし」という異常採点で128点という高得点をもらった。 しかし、後半に高難度ジャンプ5本をまとめた安藤美姫に、力でねじ伏せられた。 これまで、キム・ユナは異常採点を嬉々として受け入れてきた。 浅田真央に勝つため、金メダルを取るため・・・ 金色のメダルと一緒に、大人たちとお金がキム・ユナの下に集まってきた。 韓国人はキム・ユナを自慢し、彼女を賞賛してはばからない。 少なくとも一時期、キム・ユナは有頂天だったろう。 だが、彼女を「商品」と見る大人たちはキム・ユナをフィギュア・クイーンの座から下ろしてくれない。 いまや、彼女が国際大会で優勝するたび直接効果だけでも200~400億円の経済効果がもたらされるのだ。 彼女を「韓国の至宝」「史上最高のスケーター」と信じて疑わない韓国人は、彼女が表彰台の中央から外れること・・・特に日本人選手の下にいること・・・を決して許さない。 キム・ヨナが滑走する瞬間の韓国TV視聴率は30%を超える。 そんな環境で2位の表彰台に立ったキム・ユナは、今どんな気持ちだろう? 正々堂々の敗北ならば、恥ずかしいことではない。 悔しくても、前を向ける。 ライバルを尊敬できるし、ライバルにも認めてもらえる。 しかし、汚れるだけ汚れ、堕ちる所まで自分を堕としての敗北には、いかなる救いもない。 私は、まだ少女のキム・ユナが、暗い穴の底でひとりぼっちで涙をこぼしているように見えた。 哀れだと思った。 たとえ、かつては彼女自身がそれを望んだのだとしても・・・
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最終更新日
2011/05/02 02:58:09 PM
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