2022/10/28(金)11:44
『京都岡崎、月白さんとこ』
臆することなく、自分の大切な場所を言えるようになった姉妹、
家や親兄弟というしがらみから、自分の心を解き放とうとする青年たち、
若者たちの自由はもう妨げられない。
京都の岡崎に暮らす姉妹と青年たちの春夏秋冬を描いたら、
物語は終わるのかもしれないと何となく思っていたから、ちょっと心配だった4巻目。
今巻は「初夏」で、まだまだ終わらない(良かった♪)。
物語の初め、姉妹の不安が読む側にも辛かったのだけど、
それが自分たちの居場所を得て、しっかりと前に向かって進んでいけるようになった。
そうなると、姉妹を支えているようで不安定だった青年たちが、如何に踏ん切るか。
家というものの厄介さが、京都というところだからこその重みと苦しみを増幅させるのか、
他所者には理解出来ない部分があるのかもしれない…(正直、東京もんで良かったと思うし)
でも現代に生きる青年たちには、何としても自由になってもらわねば。
そういう意味でも、今巻から登場したピアニストの少女が、象徴的に感じる。
若者は、己の才能を信じて、真っ直ぐに進んでいってほしいもの。
さて、若者たちはどんな盛夏を過ごすのか、次の楽しみ。