中村うさぎ : さすらいの女王
田口ランディ : 富士山 を、読了。
中村うさぎ は、ごぞんじブランドの洋服バッグを買い漁ってのショッピングの女王として名を馳せた人だが(ご存じない?あ、そう)
その後、ホスト~美容整形と マイブームの変遷をエッセーネタにして、世の話題提供に寄与してる人である。
週刊誌の見出しだけ読んだのだが、このごろはSMにも活動の場をお持ちになってるらしい…。
だ、大丈夫かよ、中村さん。って、お知り合いでもなんでもないのですが。
でも、ばかばかしいお買い物エッセー読んでいるあたりには、大笑いしてそれですっきりお終いにすることができたのだが、この頃の整形話題になると、なんか重いなぁ。
やっぱお買い物と違って、整形という自己存在変形そのものが話題として重いのかも。
整形と精神の変容はどうも分かちがたいようだ。重いのも当たり前か。
お金も精神も綱渡りを演じていて、それをみなの娯楽として提供することで、この人は自己顕示を続け原稿料を得ている。
読者としては、あれこれの思いをさしはさまず、ただの娯楽として消費してあげるのが正しい態度なのだろう。
多分。
田口ランディ は、評価は色々あるようだが、とりあえず私としては、この本「富士山」は面白かった。
彼女は今の人間の抱えている空白や、欠落や、渇望を描くのがとてもうまい。
時代の空気を読むのが上手な人だと思う。
特に最後の「ひかりの子」は、泣ける話。
私も素直に泣きました。