2010/12/11(土)18:55
東京都青少年健全育成条例改正案否決後に警戒すべきこと
東京都青少年健全育成条例改正に関して、色々な危惧がされていますが、たとえ今回の改正案が
否決されようとも、前回の日記に挙げたとおり、都が漫画規制に動こうと思った動機が残っている限り、
ちっとも安心できる状況ではありません。
そして、実は条例改正が通ってしまった方が、被害が少なくなるかも知れないというお話し。
現行条例で、有害図書指定をする場合なのですが、図のとおり「規制ライン」がかなり高いところで
固定されているため、最近の「非18禁エロ漫画」を有害図書指定したくとも出来ないというのが
現状のようです。
そこで、次の図のように条例を改正しようとしています。
別な軸の規制ラインを設けることによって、「非18禁エロ漫画」の中でも、「レイプ・近親相手」
といった、特に悪質とされる行為を狙いうちにするんですね。
その新たな規制ラインがどのレベルで引かれるかは……
「常識的に考える」か「濫用を防ぐために穿った見方をするか」で対応は変るのですが、
今は脇に置いておきます。
で、前回の日記で【最悪の事態】と称した、現行条例下で「非18禁エロ漫画」を規制した場合を例示します。
何が怖いって、『巻き添え規制』も怖いのですが、
議会にもかけないまま、規制ラインを都の一存で勝手に動かす事への道筋を付けてしまう
のが、一番怖いのです。
条例改正して、新たに規制ラインを引くだけならば、一旦ラインが固定されれば条文濫用の危険は
相応に下がりますが、条例改正しないまま対応させると言うことは、その逆を行く行為と言えるでしょう。
……くわばらくわばら……。
だからさ~出版業界が率先してレーティング強化しようよ……。
例えば、少年ジャンプは全年齢で買えるけど、ヤンジャンは「R12」で小学生購入不可、
ビージャンは「R15」で中学生購入不可にして、それに対応するように、連載中の漫画を引っ越しさせるとかしてさ~。(※あくまでも例え話しなので念のため)
書店でのゾーニングだって、理想はビデオ屋の「AVコーナー」見たいに暖簾の向こう側に追いやることだけど、
そこまでしなくても条例対応は可能なんですぜ。
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/08_jyourei/08_aramasi.pdf
5ページ目参照。
本棚から飛び出したついたて設けるか、さもなければ本棚の一番上の棚に固めておけば、
ゾーニングしたことになるんだから。
その程度の模様替えすら出来ない本屋なんか、漫画表現が規制されなくとも早晩潰れるっちゅーのw