|
カテゴリ:能・狂言
先日の新聞に世界遺産・厳島神社(広島県宮島町)の能舞台で17日、「宮島歌舞伎」(朝日新聞社など後援)が上演されたことが載っていました。
厳島神社は昨年9月の台風18号で国宝の「左楽房」が倒壊するなど大きな被害を受け、能舞台も一部が破損し、約半年間使えなかったのです。 海中を敷地とした奇想天外な構想で建築された厳島神社は、御祭神が海の神様であるため現世に竜宮城を再現しようとしたためか、また来世を船で渡って極楽浄土にまいる藤原時代の浄土信仰の一つのあらわれか、とにかくも平安時代の人工美と自然美の調和が結晶したものです。 海上にあるため、海水に浸る床柱は腐食しやすく、しかも潮風や台風による風蝕と倒壊の危機にさらされています。それだけに不断の入念な手入れが必要となりますが、幸いなことに800年近く経た今も、平安貴族たちの見た神社と同じものを目にすることができます。 2002年の9月、野村萬斎さんが、この厳島神社の重要文化財の能舞台で「三番そう」を舞うということで観に行くことにしました。海に浮かぶ能舞台の上で舞う萬斎さんを、是非見たかったのです。 私が、宮島に初めて行ったのは、高校の修学旅行。その時見た宮島の美しさはとても思い出深いものでした。潮の満干する浜辺に立てられた神社の、朱色に彩色された姿は、山の緑と調和し、周囲には青い海が広がり、さながら平安の屋形船に乗っているかのような気がしました。是非もう一度行って見たいと思っていたのです。また、主人は修学旅行では行かなかったそうで、2人とも、とても楽しみにしていました。 当日は、最高の天気に恵まれ、飛行機の旅も快適。広島空港から、広島市内へ、そして宮島へ。 早めの夕食を取り、開演時間まで、島内を散歩。 屋台で、殻の上にのせて焼いた生牡蠣にレモン汁をかけて…。 最高でした! 主人が、同じく屋台で買った焼トウモロコシを食べながら歩いていると、突然、 「おわっ!」 と大声。どうしたのかと思ってみると、手にもっていたトウモロコシを鹿に食べられてしまったのでした。 そういえば、島に到着した時に、ガイドさんから、“絶対に1万円札は鹿の前に出さないこと。大好物で食べられてしまいます”と注意されました。本当かなと思ったのですが、1万円ですから、試す勇気もなく… 食べられたのがでよかった! 島に到着時は、大鳥居も、神社や、まだ砂の上でしたが、舞台が始まる頃から、少しずつ潮が満ちてきました。能舞台をはさんで、見所(客席)も海の上。海を隔てて、舞台を眺めます。萬斎さんが舞う頃には、すっかり夜になり、月明かりが、満ち潮の海を照らし、その光の中で舞う萬斎さんの姿は幻想的でそれはそれは美しいものでした。 狂言劇場 その壱 野村万作+野村萬斎~「三番叟」「鎌腹」「川上」~【COBB-5348】=>20%OFF!狂... 昨年、再び、宮島での舞台が企画され、早速申し込みましたが、前述の台風のため、舞台が使用不能になり、広島の市民ホールに変更。残念ながら、断念しました。 また、来年あたり、宮島での舞台があれば、今度こそ、是非行きたいと思っています。 ☆ スタンダードドレスの商品を入れ替えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[能・狂言] カテゴリの最新記事
|