昨日は、宝生能楽堂に「都民劇場能」を観にまいりました。
昨日の演目は、狂言「棒縛」、能「井筒」。
狂言「棒縛」。太郎冠者(野村萬斎)、次郎冠者(石田幸雄)の2人が、主人(野村万之介)の留守にはいつでも酒を盗み飲みするので、困った主人は、外出前に、太郎冠者を棒に縛り、次郎冠者を後ろ手に縛り出かけます。残された2人は、不自由な格好でありながら、酒蔵に入り、互いに工夫して、2人で協力して酒盛りになります。
私の大好きな狂言。縛られながらの2人の舞いと謡いは見ごたえがあります。昨日の萬斎さんは、調子もよかったのか、謡のお声もとてもよく響いておりました。
私の席は、舞台に向かって右よりの最前列。棒縛の太郎冠者は、右側での演技が多いので、おそばでラッキーでした。
能「井筒 物着」。旅の僧(ワキ・野口淳弘)が、奈良から大和初瀬に赴く途中、石上(いそのかみ)の在原寺を訪れると、一人の女(前シテ・観世銕之丞)が来て荒れた古塚に水を手向けます。女は僧にこれは在原業平の墓だと言います。そして、昔語りを始めます。ここで、紀有常の娘と契った業平が、河内高安の女の許に通っていましたが、また、有常の娘の元に戻ったことや、幼い頃、井筒のそばで二人で遊び、恋心が芽生え、やがて夫婦となり、自分がその女であると明かして井筒の陰に消えます。夜が更けると僧の夢に有常の娘が現れ、業平の形見の装束を着て舞いを舞い、井戸の水に自分の姿を映して業平の面影を懐かしがりますが、夜明けをともに消えていきます。
秋の夜の静寂にぴったりな能でした。昨日は、静かな舞いでしたが、銕之丞さんの舞いは本当に素晴らしい。
昨日の萬斎さんは、なぜか、紺のキャップをかぶってらっしゃいました(楽屋入りなさる時ですが)。
カワイイ!