「花戦さ」。鬼塚忠。
花の名手・池坊専好と、茶の名人・千利休は、
生きる道は違えど、「美」を追及する者同士として、
互いを認め合い、深い友情で結ばれていました。
その大事な友が、豊臣秀吉の命で、非業の死を遂げます。
茶人なのに、なぜか武士と同じように切腹させられてしまうのです。
悲嘆にくれた池坊専好でしたが、花に救われ立ち直ったのですが‥、
秀吉の横暴ぶりは、ますますエスカレートし、
専好の周囲の罪なき人々が、秀吉のせいで命を落としてゆきます。
怒りで震える専好は、秀吉への敵討ちを決意するのです。
それも刀ではなく、花で。
池坊といえば、いけばなのお家元ですが、
もともとはお寺で供花として僧侶が活けていたものだそうです。
京都の六角堂(紫雲山頂法寺)が発祥の地で、
このお寺は、聖徳太子の霊夢により建立され、
聖徳太子が沐浴したとされる池があり、
その池のほとりにあった僧侶の住坊が「池坊」と呼ばれていたそうです。
このお寺は、小野妹子が出家した寺でもあるそうです。
6月3日(土)から、映画「花戦さ」が公開されます。
この原作がどのように映像化されるか、
「立花」の場面が映像で見ると、かなり見ごたえがあるのではないかと楽しみです。