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カテゴリ:能・狂言
終戦記念日の15日に、寒川神社に「第49回相模薪能」を観に参りました。 今年の薪能は、天皇陛下御在位30周年にあたり、御祝いの番組をということで、祝言の曲を上演したそうです。 能「逆矛」、狂言「樋の酒」、能「大瓶猩々」。 能「逆矛(さかほこ)」。 帝の臣下・朝臣(ワキ・森常好)が従者(ワキツレ・舘田善博、野口能弘)とともに龍田明神に参詣する途中、松明を持った老人(前シテ・観世喜正)に出会います。 臣下は老人に道案内を請い、龍田明神に向かいます。 道すがら、なぜ、この龍田明神のある龍田山を寶山(ほうざん)と呼ぶのか尋ねると、 この神社には瀧祭明神が預かり納めた「矛(ほこ)」があるので、 ここを寶山と言うのだと教え、自分こそが瀧祭明神だと名乗り消えてしまいます。 そしてその夜、仮寝している臣下の前に天女(シテツレ・小島英明)が現れ舞いを舞い、 その後瀧祭明神(後シテ・観世喜正)も現れて、矛の謂れを舞ってみせ御代を寿ぎます。 このめでたい矛は、天沼矛(あめのぬぼこ)といい、 天と地ができて後現れた伊弉諾(いざなぎ)と伊弉冉(いざなみ)の男女の神が 矛で海をかき混ぜ日本列島を作られた時に使われたという矛なのだそうです。 それを大和国(奈良県)の龍田明神に納めたという伝承に基づいて作られた曲なのだそうです。 国土創成とは、確かにめでたい曲ですね。 狂言「樋の酒(ひのさけ)」。 主人(中村修一)は、留守中に太郎冠者(野村萬斎)が酒を盗み飲みするので、 太郎冠者を米蔵、次郎冠者(深田博治)を酒蔵に閉じ込めて外出します。 ~主人は次郎冠者は酒を飲まないと思っているようです。実は次郎冠者もかなりの酒好きのよう。~ 2人は、やがて酒が飲みたくなって、酒蔵にいる次郎冠者は早速飲み始めます。 しかし米蔵にいる太郎冠者は酒が飲めません。 そこで、蔵の間に雨樋を通して、酒蔵から米蔵に酒を流し、それぞれの蔵で酒盛りを始めるのですが,結局は、太郎冠者が酒蔵へちゃっかり移動して、謡い、舞いの宴会を始めてしまいます。 萬斎さん、なぜか前髪がとても長く、お鼻までかかっていました。 また、なにかなさるのかな~? 能「大瓶猩々(たいへいしょうじょう)」。 唐土の揚子江近くにあるかね金山の麓に高風(ワキ・則久英志)という親孝行の男が住んでいました。 「酒屋を開け」という夢のお告げを信じた高風は、酒屋で大成功を収め金持ちになりました。 ここ最近は知らない男(前シテ・中森寛太)が客を大勢連れて来るのです。 怪しんだ高風が男に名を尋ねると、 潯陽の江に住む猩々と名乗って水中に姿を消します。 高風が潯陽の江を訪れると、大勢の猩々が現れて大瓶から酒を酌み交わし、 酔って楽しく舞い遊んだ後、 猩々たちはいくら飲んでも尽きることない酒壺を高風に与えて、水中に姿を消します。 この後、仕入れいらずの酒屋となった高風の家は、末代まで繁盛したそうです。 なんとめでたいことでしょう。 が、この夜は前シテの童子が舞っているところで、小雨が…。 幸い、本降りにならないうちに止みましたが、 その後の演技は、能舞台から退き、本殿前の回廊で行われました。 後半は猩々が5人の舞いでしたので、さぞや大変だったのではないかと思いました。 ほんのわずかなにわか雨が降るには降りましたが、 全体的には好天に恵まれ、 今年もよい時間を過ごせました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月20日 22時52分17秒
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