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カテゴリ:能・狂言
土曜日に、宝生能楽堂に「野村万作師 文化勲章受章記念狂言会~狂言、舞歌と講演~」を観に参りました。 野村万作さんは、長く狂言の芸術性と魅力を国内外に発信し、発展と振興に尽力してきたことが評価され、昨年秋、文化勲章を受賞されました。 そのお祝いの会が、万作さんが満93歳を迎えられた昨日、一門の狂言師により開催されました。 狂言「しびり」。 和泉(現在の大阪府)の堺へ酒の肴を買いに行くよう主人(野村萬斎)から言いつけられた太郎冠者(三藤なつ葉)は、足が痺れていけないと嘘をつきます。 太郎冠者の嘘を見抜いた主人は、それならば、叔父からの御馳走の招待には連れて行けないと言い出します。 御馳走にはついていきたい太郎冠者は、親譲りの痺れなので、言い聞かせれば治すことができると言います。 太郎冠者を演じた万作さんのお孫さんの三藤なつ葉さん、大きくなりましたね。 台詞回しもしっかりしてますね。 連吟「鳴子」。中村修一、内藤連 小舞「菊の舞」 福田成生 「蝉」 飯田豪 「貝尽し」 岡聡史照 「海老救川」月崎晴夫 語「元日之語」 破石澄元 「二千石」 破石普照 小舞「番匠屋」 竹山悠樹 「名取川」 高野和憲 「田植」 深田博治 「八島 後」野村遼太 「景清 前」石田幸雄 「道明寺」 野村太一郎 語「奈須輿市語」 野村裕基 大曲です。裕基君、サスガです。お声が萬斎さんに似ていますね。 狂言「川上」。 吉野の里に住む盲目の夫(野村万作)が、霊験あらたかという川上の地蔵に参詣します。 参籠の甲斐があって、早速目が開くのですが、地蔵のお告げによると「連れ添う妻が悪縁なので離別せよ」と。 それを聞いた妻(野村萬斎)は腹を立て、地蔵をののしり、絶対に別れないと言い張ります。 やはり、お二人で演じる「川上」はいいですね。 最後に、夫は、妻との生活を受け入れたことで、再び目が見えなくなり、そんな夫の手を取り、2人は歩み去ってゆきます。 そのお二人の後ろ姿が、余韻を残して、何度見ても感動します。 講演「来し方を語る」 野村万作 最後は、万作さんの90年に及ぶ芸の道程を語られました。 万作さんは、歌舞伎をはじめとして、演劇にお詳しく、本当にいろいろな名優の方たちの舞台を観てらして、そこで受けられた感銘や感動が、万作さんのなかに息づいていられるのだと思いました。 万作さんが語られていましたが、万作さんのおじいさまやお父様の時代にはこんな会は開けなかったと。 万作さんの年代の狂言師の方たちの努力で、狂言への関心も高まり、これだけの人数をそろえた一門ができ、開催できた会だと思います。 このような会は、なかなか観られないと思いますので、今回、観劇できて本当によかったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.24 01:01:20
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