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映画ドラマ・千一夜

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September 1, 2008
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カテゴリ:韓国ドラマ
総合点:87 ★★★★+
(シナリオ・せりふ)=9 (新規性・音楽)=8.7 (キャラクターの描き方)=8.8

●2005年度 韓国ドラマ MBC 脚本:チョ・ミョンジュ 演出:ユン・ジェムン 出演:
◇オ・ジホ(チェ・ユンジェ役) 建築会社「美建」の代表を勤める賢くて優しい建築家。音大教授の父と上品な母を両親に豊かな家庭で育つ。
◇キム・ソヨン(イ・ギュウン役) 生化学の博士で研究所勤務。幼い頃からの親友・ヨンソと暮らしている。
◇チョン・リョウォン(パク・ヨンソ役) インテリアデザイナー。春川でパン屋を営む母親の一人娘。親友ギュウンと暮らしながら、建築関係の仕事を探している。
◇イ・チョンヒ(キム・スヒョン役) 医者。大学時代からギュウン、ヨンソと親しくしてきた友達。専門は内科だが、後、脳神経学の医者になりギュウンを治療する。ヨンソを愛している。
●物語
 インテリアデザイナーのヨンソは、いつもスケッチブックを持ち歩きながら、街で出会った素敵な建築物を絵に描いている。たまたま水族館で見知らぬ男性と出会うが、彼は彼女のスケッチを気に入って、或る建築会社を紹介してくれる。
 ヨンソにはギュウンという研究所勤務の博士号を持つ友達が居て、今は彼女と同居中だった。二人は性格と好みは異なるが、将来の夢や理想像などを語れる仲の良い親友同士だ。
 一方、「美建」という建築会社の所長をしているユンジェは、自分がデザインした建物で停電事故があり、急遽そこを訪れる事に・・・。そこで彼が出会ったのは、ギュウンだった。
 ヨンソとギュウンは、自分たちが好感を持った男が同じ人物だとは夢にも知らず、同時に始まった恋に浮かれる。
******************************* ネタバレします ******************************
●このドラマの表題は「秋の夕立」となっていて、この表題の付け方で、ほぼドラマの嗜好と言うか方向性がほとんど決まっているような印象のドラマです。
●まずは音楽ですが、なかなか良い。モーツァルトのK466の協奏曲やショパンなど、叙情的な名曲を旨く挿入し、物語の雰囲気に大変よく嵌っている。
 また、物語の諸所での演出がこなれていて、進行を急がないし、無駄がほとんど感じられない展開で、僅かのシナリオ構想設定的なところでの違和感以外は、大層旨く出来ているドラマと思いました。
●ですが、インターネットを検索してみると、「最終話の視聴率が2.9%という寂しさだった」そうで、「意外」という意味と、最終話には今ひとつ納得できなかった自分の感想とが、少しマッチして、結局、★4つ+で進んで居たものを減点して、★4つ- としました。
(バラ色の人生という超視聴率のドラマの最終回が、その時対抗番組で放映されていたこともあるそうですが・・・韓国でも後でビデオで見る、って方法もありますよね!)
●このお話は、大変仲の良い親友同士が同じ男に恋をし、ある事情によって、片方が妻となり、諦めた女性の方が、後に夕立にあったかのように、してはいけないはずの恋に落ちてしまうお話です。
 構想的には問題はなく、事故で植物状態になったギュウンの看病の頃のユンジェと、彼に心惹かれてしまうヨンソの心の演出は、不自然なところがなくて高いレベルで進みます。(特にヨンソの心情の描き方が旨い)
 こうして第15話辺りまでは、適度な緊張感で進むのですが、最後にヨンソに与えられる結末と、ユンジェのいつまで経っても「ビアネヨ」的な弱い感じの性格描写は、少し残念でした。
●最初に書いた構造的な欠陥というのは、以下にあると思うのです。
・物語では、ユンジェは最初にヨンソに出会うのです。ユンジェは有能な建築家で、よって、一瞬でヨンソの才能を見抜いている。(このとき、画面に示されるスケッチ画が、凄くいいです)
 独身で才能のある建築家が、自分の大切な恋の相手に、同じ建築家として才能を持ち、美しく可愛いヨンソを選ばないのが、そもそも大変に不自然な感じがする。彼はその後、研究所で出会った医学博士のギュウンを愛することになるのですが、違う世界で生活して活躍する博士を選ぶのには、本当は無理があって、ここいらが物語作者のための「骨組み作り」的な組み合わせに見えてしまいます。
 また、最終回でヨンソは、思い出深い防波堤のところで、ユンジェにそっと「さよなら」をしてしまうのですが、ここからの終わり方が、文学作品としての香りを残す、的な按配で、どうも気に入りません。現実の実態にそぐわぬ感じが残ってしまいます。
 突然の恋をし、親友の夫でも愛してしまったヨンソは、辛い至難をじっと堪えて生きて来ていきます。それがここでは、物語のエンディング制作のための「格好よい終わり」みたいな印象に纏められ、どうも「嘘」に描いているような印象が残ってしまいます。
●演技としては、「キム・サムスン」で活躍したチョン・リョウォンがやはり良かった。辛い役をじっとこなすし、涙のシーンも多いし、意志の強さと芯の強さで、弱気で優男のユンジェを圧倒する辺りは大変魅力的で良かったです。それに、女性としてのいじらしさ・優しさも旨く出ている。
 物語中盤からはヨンソではなくて、ギュウンびいきの演出にはなるのですが、僕はどうもイ・ソヨンさんは苦手です。イブのすべて、での悪役の印象が残っているのと、どうも目の動きが苦手。僕としてはこのドラマでは終始、辛い心情を乗り切って行かなければならないヨンソ応援派であり、物語の最後まで、その立場は替えられませんでした。
 ということで、最後の終わり方に不満が残り、結局「わあ、すっきりした!」感が残らぬまま終えてしまった。
 でも、シーンとしては、ユンジェとヨンソが暮らすことになる海辺の街の印象が良く、チョン・リョウォンさんは素敵だったです。ヨンソのような女性、好き!
***********************
●見終わった昨日は、上記まで書いたのです。ですが、一夜過ぎて「ふっ」と考えてみると、こういう終わりも有るかなあ・・・と思えてきました。それで、全体的な演出の旨さやチョン・リョウォンさんの頑張りを評価して、★4つ+ということにしました。
 韓国ドラマは途中での心理葛藤を大きく誇張して描くので、エンディングが難しいのだと思います。今回もそうです・・・。でも、やっぱり見る側としては、こうあって欲しかった的心理的収まりどころ、みたいなものがあり、それを期待している・・・。長い話の末に、3人は元のところに戻りました・・・的な終わりだと、絵にならない気がするのです。=(「ガラスの靴」もそんな感じ・・・)
●ヨンソは意志がはっきりしていて芯が強く、そんじょそこらのことではくじけないし、物語が終わった後も、もう一度行き会いたいな・・・とこちらに感じさせる女性に仕上がっていますし、そういう意味では、佳いドラマだったなあ、と感じてます。
 このドラマの場合も主題は「不倫」なのかもしれないけれど、世間で俗に言う不倫は、もっと低俗のものを言うのでは?
 ヨンソもユンジェもギョウンも自分の性格に忠実で、精一杯やろうとしたら、こうなる・・・。人間社会の出来事は、数学的理性的に纏めたい世の中規範的には、完結しないことになっています。生物原理は、数学では一意に定まった解が得られないんです、きっと。
●ヨンソは一度は自分の気持ちを断念して留学するのだし、当事者のせっぱつまった状況は、世間一般の限られた情報だけでは計り知れなかったりします。ホームページには不倫という言葉が乗っていたけど、当たっていない。このドラマからは不倫は感じられないです。
●それにしても、生存のために子供を作らなくてはならない人間システムは、それだけで大きなリスクを伴うシステムだなあ、と感じます。愛していない男の子を産んでしまうケースも、世界では多々あるのです・・・。
 





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Last updated  September 1, 2008 07:39:45 PM
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