映画ドラマ・千一夜

2017/10/06(金)07:04

殺人の追憶

韓国映画(161)

評点 ★★★☆ 一種独特の描き方をしています。1980年代を彷彿とさせる場面が随所在り、あの頃の警察の酷かった在り方みたいなものも伺える。実際にあった事件からのインスパイヤですが、もし小説を読んでいるなら、最後の場面の意味が分かる。映画だけでは真相がはっきりせず、未了感が残ります。 ​ 【中古】洋画DVD 殺人の追憶 ’03 韓​ ●2003年度 韓国映画 監督・脚本:ポン・ジュノ 脚本:シム・ソンボ 製作:チャ・スンジェ ノ・ジョンユン 音楽:岩代太郎 撮影:キム・ヒョング 編集:キム・ソンミン キャスト(役名が先): ◇パク・トゥマン/ソン・ガンホ 田舎(ファソン郡)の刑事 ◇ソ・テユン/キム・サンギョン ソウルから応援でやって来た刑事 ◇チョ・ヨング/キム・レハ 田舎の刑事 ◇捜査課長/ピョン・ヒボン ◇ソリョン/チョン・ミソン パク刑事の恋人。看護師 ◇ペク・クァンホ/チョン・ノシク 食堂の息子。障がい者 ◇新任課長/ソン・ジェホ ◇ギオク/コ・ソヒ 女性警官 ◇パク・ヒョング/パク・ヘイル 工場労働者 ●あらすじ  1986年12月、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。その後も同じ手口の連続婦女暴行殺人事件が相次いで発生、現地には特別捜査本部が設置され、地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣されたソ・テユンが、この難事件に挑む。性格も捜査方法も異なる二人は対立を続け、何度も失敗を重ねるが、ついに有力な容疑者を探し出す・・・。 ******** 多少ネタバレ ********** ●感想  実際にあった事件は10件の連続殺人で、華城連続殺人事件。未解決事件だそうです。1986年といえば随分と近代のはずなのですが、殺人事件の捜査はやはり難しいのですね、こんなに多くの被害者がありながら未解決・・・。  映画では、昔の韓国の田舎の風情がよく出されています。日本でいえば、昭和3、40年代のような景色、生活の具合です。ちょうど子供の頃の私らの生活ぶりが、あんな感じでした。稲がたわわに生っている田圃や耕運機や、女子学生の真っ白な体操着や、ベニヤ板で出来た学校のトイレの扉など・・・。刑事が暴力を奮って自白を強要するのは、昔はあんなものだったのかもしれませんね。軍事政権下だと、権力者側の論理ですべてが進行しがちです。  捜査としては、都会からやって来た刑事が理にかなった手順で進めて行くのが感じられますが、最後、キーとなる証拠を掴めずに遂に暴走する・・・。不条理な悪に対する遣り切れない辛さは、十分伝わりました。 ●映画の最後のシーンで、犯人が現場を訪れたことが知れますが、小説ではもっと直截的な結論が待っている。小説の終わり方は、なるほど、という納得感のある終わり方で、ネットを当たってその結論も接していた方が良いかと思います。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る