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2011年01月08日
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このミステリがすごい2010年版 海外編  第7位


ま~、ずいぶん読みやすかったのびっくりです。
翻訳本にありがちな、読みにくさというか、まわりくどさをまったく感じなかった。
読んだばかりの、キャロル・オコンネルの『愛しい骨』と同じ、父と息子の確執がありました。
読みやすさはこちらの方が、断然おすすめですね。
でも、『愛しい骨』は2011年度の第1位。
『川は静かに流れ』は2010年度の第7位。
遜色はないと思いますが、『骨』のほうが、町中の人が関わる分複雑さも深く、癖のある人物ばかりだし、犯人に到るまでが面白いのかな。
と、父と息子の関係修復が、つい似てるので比べてしまいますが、同じ作者の本をもっと読んでみたいと思うのは、ジョン・ハートの方です。
『川』は第二作なので、アメリカ探偵倶楽部賞をとったデビュー作『キングの死』と、2011年度の5位の『ラスト・チャイルド』も手に取りたく思います。 
まだ未翻訳の本もあるし、ほとんど新人とのことで、今後も楽しみです。

本の内容の感想で言えば、
これでもかという、”選択”が目に付きました。
各々にとって、一番大事な者のために、選択しなければならない時事があり、皆が幸せに円く収まるとはいかないからドラマになるのね、、というような。
たとえば、主人公の父は、殺人容疑をかけられた息子を信じるか、犯人を見た証言をする妻を信じるか、の選択。
又、主人公の元彼女は、警官としての職務と恋人の、どちらをとるかの選択にせまられるし。
主人公は、また、誰を信じるか、まちがえてばかり。
ラストをむかえてみれば、犯人を見た証言をした継母も、ある選択をしていたことがわかります。
随所に出てくる、選択シーン。
ラストを迎えて、主人公が取り戻した家族とか平安に囲まれる一方で、失ったものに憎悪や失意をつのらせて放置されたような人たちのことが、心に残りました。


【このミステリーがすごい より】

 川は様々なものに喩えられるが、本作のタイトルに作者がイメージを重ねたのは、人生そのものだろう。急流もあれば、たおやかな流れもある。そしてもちろん紆余曲折も。生まれ故郷の川辺の町に、主人公の青年が数年ぶりに戻ってくるところから物語は始まる。目的は親友の苦境を救うことだったが、やがて、殺人の濡れ衣を着せられ、家族との軋轢に苦しんだ自身の過去と対峙しなければならなくなる。血縁や恋人との関係から一旦は逃げた主人公が、苦悩と葛藤の末にそれを取り戻していく感動と謎解きのカタルシスがシンクロする天下ウィは見事のひとこ。2008年度MWA(アメリカ探偵作家倶楽部)賞の最優秀長編賞受賞作も納得の一冊だ。



著作

『キングの死』 (2006)
『川は静かに流れ』 (2007)
『ラスト・チャイルド』 (2009)
The Iron House (2010)





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最終更新日  2011年01月08日 22時47分15秒


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