段丈太郎の「ジョーダンだろう!」

2010/03/08(月)00:50

「青春の飯場・・・」の続き、その3。

思うこと(25)

※言い訳:続きを書くのをすっかり忘れてました。いえ、心の片隅にはいつもシコリのように残ってはいるんですが、コメントとか全然付かないから、モチベーションが上がらないのよね^^; (続き) 「我は如何にして菜食主義に至ったか」悲哀編  あっ、そうか、と私はT本のある事情に突然思い当たった。彼は偏食人間なのだ。弁当に嫌いなおかずが入っているのであろう。 「駄目なおかずか?」と私はあえて訊ねた。 「うん、絶対だめだー。サバ・・・」 「あれ? おまえ魚は大丈夫だったのでは?」 「うん。サバ以外は食べられるんだけどな。一度、あたったことがあってさ、それ以来食えねぇ」 「う~ん・・・確かにそれはこの状況では絶望的だなぁ」  このバイトは肉体労働である。エネルギーを絶たれることは殺人的にやばい。  T本が偏食になった理由というのも、また悲しい話なのである。  肉類は絶対に食えないというのが彼の体質である。家が貧しかったので、子供の頃から肉を食べたことがなかった。その後遺症だという(涙)。  餃子も肉が入っているのは駄目である。ある日、中華を一緒に食べているとき、彼は餃子を途中ではき出したことがある。少しでも肉が入っていると、感づくのである。生意気なやつめ。 「じゃあ、おまえ何を食ってるんだよ!?」  そのことを知らされると、誰もが異口同音に質問する。詰問に近い人もいた。 「おれの貴重なタンパク源は魚、卵、それだけ」 「卵はいいのか?」 「うん」 「お前な~、卵は鶏から出るんだぞ。わけわからね~な」  どうやらT本家では卵だけは食っていたらしい。しかし、この肉欲の塊のような男が菜食主義とは、世の中ほんとに笑える。  そしてその日、新たな項目が追加された。T本氏の飲食可能食品:魚類・・・サバを除く(笑)。 「それじゃ、俺の卵焼きをあげよう」 「おお、ありがとう。じゃ、サバはそっちに」  我々のおかず交換は速やかに挙行されたが、小さな卵焼きと大きなサバとでは、事情を知らない人が見ると不公平感がある。しかし、T本は大喜びである。 「そうだ、K山の卵も貰えばいい・・・」と私はK山の弁当を見た。彼は苦笑いしている。見ると、すでにほぼ完食に近い状態であった。う~む、快食快便主義か、お主、なかなかできるな。 「明日からな」とK山は申し訳なさそうにつぶやいた。  T本から頂戴したサバはとても食いきれないので、「これ、お前が食え」と私はK山の弁当箱に突っ込んだ。  こうして麗しき友情と資源の有効活用によって問題は解決し、平和な午後の憩いのひとときが過ぎていったのである。空気の良い場所で啜るお茶はほんとに美味い。  楽しい時間はあっと言う間に終わる。(くどいようだが)人生とはそういうものである。午後1時、我々は重い腰を上げ作業に戻った。  バッシュッ!の快感、ずるずる引きずり、雲古・座薬が穴からお目見え作業は、永遠に続くかと思った。  ゆっくりではあるが、時間は確実に経過するものである。  止まない雨はない。  夜明けのない夜はない。 陽はまたのぼる。  ある日、王子様が・・・(これはちょっと違うな)。  我々は全員が泥だらけになって、その日の作業は終わった。10日間、毎日がこれの繰り返しなのだ。  確かに、3日間はそうだった。だがその後、我々の飯場生活は日常を逸脱し、急展開を迎えるのである。 (まだ続くわよw) ・・・そうか、短く細切れで書けば気楽に書けるのね^ ^ 

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