Disc3-7 朱架
「…で、何者なの、朱架は?」 落ち着いた頃を見計らって、誰もが抱く当然の疑問をぶつけてみる。 さっきまではボクと一体化(?)していたせいで全然顔が見えなかったが、(出てくるのは簡単らしく)目の前に現れてからもしばらく顔を赤らめて怒っている様に見えた。 その証拠に自分の頬に両手を当てたまま、ポッポッと沸騰したやかんの様に湯気を上げてブツブツと独り言を言い続けていたからだ。 そのせいもあって、話しかけるタイミングが掴めなかった。 所々聞こえたのは、「…服を脱ぐだなんて………非常識にも程が……。」だった。 その間に改めて手鏡で自分の姿を確認したのだが、そこにはいつも通りの自分が写っていた。 やっぱりこの姿が一番しっくりくる。 ……変な言い方だけど。