横山秀夫『半落ち』
半落ち感動はラストの数ページに訪れます。それまではひたすら、「空白の二日間」の謎の究明。……よりも、むしろ警察→検察→新聞記者→弁護士→裁判所→刑務所と、梶聡一郎が謎を残さないまま「ベルトコンベアーのように」送られていく過程がほとんどかな。長編なんだけど、中身は事件に関係した6人の男達の短編みたいになっていて、読みやすいです。毎章のラストで、「空白の二日間」の究明が進展しようとするんだけど、うまくいかない。ラスト、「空白の二日間」については、おもいがけない理由が明かされます。それでいて、伏線が張られてあったっぽいですが、……なんか、オチに困って無理矢理「伏線にした」とも受け取れます。半落ち(DVD) ◆20%OFF!