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Ａｎｄｒｏｉｄ　Ｐｒｅｓｉｄｅｎｔ　アンドロイド・プレジデント（第二話）

スコット・フィッシャー＆1a.m.アプローチ『ANDROID LOVE』Autobot V/AAutobot V/A『Android Robotix』　Ｐｒｅｓｉｄｅｎｔ　アンドロイド・プレジデント（第二話）「神市民　愛しい時間」 by iMAC@Apple　　　いまはもう二人には還って来ない愛しい生活の時があったことを、ＨＩＤＥもＲＥＡＥもその後同時に思い起こしていた。こんなことになるなんて．．．　そこは、ＣＩＴＹの中心街でも特別な至福の空間だった。　ＲＥＡＥはその頃大学の研究室の地球の姿が見える一室で、彼女の研究論文を仕上げていた。同じＣＲＹＳＴＡＬで同居しているＨＩＤＥが部屋の外から、そろそろ一緒に帰宅しようと手を振っていた。それにテレパシー伝送で答えた。　「は～い、ＨＩＤＥ判ってるわよ。時間だから早く出て来いっていうんでしょう。もう少しで、イメージが記録できてしまうからね。検索範疇が広がりすぎてて、サイプレス卿のご機嫌が悪いのよ～。判るでしょう。結構彼は機嫌を損ねると能力を勝手に下げてくれるのよね～。」　　「はいはい、いつもの言い訳ね。ここの利用時間は毎日決まっているんだからね。それに検索はＣＲＹＳＴＡＬでもできるでしょう。どうして、そこでやるの？」　「ＨＩＤＥは孤独が好きらしいけど、政治家を目指すわたしには、それこそいろいろな人が集まるこの場所が観察するのに最高なのよ。ＣＲＹＳＴＡＬは居心地良すぎるの。政治学は民衆の苦しみや煩悩をしることから始まるのよ。」　「ええ、そうらしいわね。私なんか、こんな最新伝送が遮断されている空間、旧地球人類系の生活感が充満した世界なんて、息苦しいだけなんだけどね。」　「まあ、貴方と私じゃ目指す世界が違うんだからさ、それにこのむっとした古臭い、妙に動物的なおしゃべりと実態と逆説的に考える論理空間なんて、この大学でしか再現できないんだから、　　記憶再生はこの月面都市中どの大学でも再生できるけど、この人と人がくっつきあって反証的なおしゃべりできる空間や響きが重なる建造物の家屋の感じを実感できる施設が完備しているところって、ここしかないのよ。そのためにこの大学選んだんだからさ。」　「あれ～、ねえ早く出てきてよ。待ってるのよ。わたし政治学専攻学生じゃないからそこへ入れないんだからね。それにあれ観て！素敵ね～綺麗だわね彼女は、ＲＥＢＥＬＮだわ！」　「ほんと！今日は大学きてるの？　ファッション・モデルの売れっ子だから、大学殆ど登校してないんだよ。だから、年に1回も偶然実態講義が重ならないと会うことも無い。　　でも彼女あんなんで良く成績ＴＯＰで居られるわね？　不思議でしょうがない。　どうして大昔の地球人類系の文学や政治の駆け引き情勢学なんか完璧に解けるんだろうね？」　「なんでも、彼女のＤＮＡの親ＤＮＡシードには旧地球で最高の科学者のアインシュタインの頭脳から採取したＤＮＡが使われているとかいう、まことしやかな噂があるってよ～！」　「げ～、すご！　あたしのパパ博士はアンドロイドだし、ママは元ＯＲＩＧＩＮだけど平民だし、形無しね。　やっぱ努力だけで政治家になるっきゃないね。」　「まあまあ、あなたの競争心はどうでもいいから、その研究室から早くでてきて素敵なＲＥＢＥＬＮがどこかいっちゃうよ！　今なら主任教授のＯＲＩＧＩＮ人類のジョージ先生との熱々キスシーンだかんね！はやく！」　「わお～、それ観たい。最高ね～」　大学の広大なキャンパスに、今日はどういう噂が飛び交ったのかファッション業界最高の売れっ子大学生であるＲＥＢＥＬＮが登校してきたというので、　数１００人の男女学生が集まっていた。　その公衆のど真ん中で、こともあろうにＲＥＢＥＬＮは恋人である主任教授の頬を平手でひっぱたたくかと思うと、　あたりに構わず泣き叫んで、そして飛びついてキスしてしまったのだ。　どよめきが起こるとさらに野次馬が輪を架けて集まってきてしまった。　ＨＩＤＥもそのひとりだった。　そして、直ぐ近くの講堂研究室で古代政治学セミナーが終わって論文を構成中だったＲＥＡＥを呼んでいるのだった。　ＲＥＢＥＬＮの抱擁はしばらく続いた。ようやく、ＲＥＡＥも雑踏に割り込み、その姿を見つけたとき二人が離れると、いきなり主任教授が足早にそこを去っていきかけたところだった。　「ジョージ！　これはどうして？　貴方が裏切ったんだわ！　どうして私の心を踏みにじるのよ。　」　男は、再びなにも答えられずに、その場から走り去っていった。公衆全体が、驚きとやや憤りの女性達の声に変わった。　「そうだったのね～、あの教授は　ＲＥＢＥＬＮ以外の関係を持ってたんだわ。　いい気なものね。　しっかり見返しておやりね～ＲＥＢＥＬＮちゃん！」　体制派は圧倒的に女性で、ＲＥＢＥＬＮの味方だった。　全員直感的に、彼女の誠実さを理解できた。裏切った教授の講義はこの後不人気で、いつしか彼は大学を去ったのだったが。　　実は意外に知られていないが、ＲＥＢＥＬＮは確かに、親のＯＲＩＧＩＮ階層が裕福な階層にいまは安住しているが、またそのお陰で最高のＤＮＡ遺伝子医学の恩恵をＲＥＢＥＬＮは手に入れられたのは事実だが、　その父親のＯＲＩＧＩＮとアンドロイド・ママの家庭を築き上げるまでの階層違いの夫婦の苦悩は並ではなかった。結果としてアンドロイド・ママであるＭＡＲＩＡ・ＲＥＢＥＬＮのファッション業界での並々ならぬ活躍と大成功と名声があり、その娘のＲＥＢＥＬＮの現在があることは幸運であるのだが。　「あ～あ、可愛そうだったね。ＲＥＢＥＬＮちゃん。　あれはないよね。　別の女性教授に手？を出してたらしいよう。　いやらしいね。だからね～ＯＲＩＧＩＮの男性はね。」　ＲＥＡＥがうんざりな感じでしゃべっていた。ＨＩＤＥはそこで、意味は無かったかもしれないが「ＯＲＩＧＩＮの．．．」という台詞にひかかった。　「別に、ＯＲＩＧＩＮだからって。たしかにアンドロイドでは男は本質的には必要はないけどさ。でも、愛情の問題は本来は別でしょうに。ＯＲＩＧＩＮ云々じゃないんじゃないの！」　「だって、それって旧地球の崩壊だって、遠い原因はＯＲＩＧＩＮの男性の仕業じゃない！軽蔑したい気にもなるわよね～！」　「それって、あなたがアンドロイドだから抱く軽蔑じゃないの！　人間の尊厳に対してあなたは反逆しているところがあるんじゃないの！」　「．．．？　ええ？　ＨＩＤＥって、もしかしてあなた。　ＯＲＩＧＩＮだったら何をしても良いって言っている訳？　それは捨てて置けないわ。この倫理の問題は、　　ＯＲＩＧＩＮもアンドロイドも無いはずよ。　たまたまＣＩＴＹでは、アンドロイドは、当然だけど、男性は必要ないだけよ。　その男性が問題なんであって、　　ＯＲＩＧＩＮであることが問題なんじゃないわよ。　何を噛み付いているの？　今日は少しおかしくないＨＩＤＥ？」　「そうかしら？　私には、ＯＲＩＧＩＮであることへの不満があるらしく聞こえたけど．．．ふふん！」　　いきなりＲＥＡＥがＨＩＤＥに抱きついてキスしてきたので、それ以上会話は続かなかった。しばらくお互いの愛情をしっかりと確かめ合った。Ｇｉｎｇａ　ｏｐｅｒａ　

Ａｎｄｒｏｉｄ　Ｐｒｅｓｉｄｅｎｔ　アンドロイド・プレジデント（第一話）

スコット・フィッシャー＆1a.m.アプローチ『ANDROID LOVE』Autobot V/AAutobot V/A『Android Robotix』　Ｐｒｅｓｉｄｅｎｔ　アンドロイド・プレジデント（第一話）「神市民　大統領の誕生」 by iMAC@Apple　Ｈｉｄｅ（ハイド）はｉｃｏｎをイメージしながらクリックと念じた。送られてくる伝送イメージが脳裏で変わった。彼女の指示した投票シグナルがＣＩＴＹのプレジデント（市民大統領）候補である美しいアンドロイドＲＥＡＥ（レアエ）に投票したことを明示して数値が１カウントＵＰした。投票市民層として旧来の人類系であるＨｉｄｅと同じ支配階級であるＯＲＩＧＩＮと、新しく人類系に創生されたＤＮＡアンドロイド人類系であるＲＥＡＥと同じ神市民階層と、そしてＴＩＭＥＷＡＲＰして反量子系の別銀河から難民として漂流した能力は高い異星人類系である同胞階層に権限がある。これ以外は、下等類似人類系として権限は無いが生存権はあるクローン階層ともともと生物と扱われていないＲＯＢＯＴＩＣＳに知能細胞を搭載したサイボーグ人類系である。　この時代では、単なるプログラム演算処理だけで無機質な機械作業をこなす環境保全・社会環境用の装置類は、既に１０世紀近く親類系が開発進化させるものとは考えれなくなり、概ね先のサイボーグ人類系か、同胞階層およびアンドロイドでも頭脳ＤＮＡが旧式な部類の人種が専門とするビジネスである。　高度に進化できた支配階層人類である　ＤＮＡアンドロイド人類系「神市民」と権威既得権で生きながらえる人類の存続理由を継承する「ＯＲＩＧＩＮ」は、ＣＩＴＹの政治・経済・進化技術・生命環境・銀河防衛などプログラム化では応じきれない思考・価値創出系ビジネスを支配してきた。　さて、今日は歴史的な事件が市民によって決定されたこの太陽系銀河の一端では画期的な投票がんされたのだ。ついにかつての地球が月面下方に退く時間に、ＲＥＡＥ新市民大統領が誕生した。これまでの人類系の歴史始まって以来の、自然人類細胞を元とした人類系からの国家元首の誕生である。　３０分後には各ドームＣＩＴＹ数千の各分散国家へ一斉にこのニュースがイメージ伝送されるであろう。彼女はこれからこのイーゼスＣＩＴＹ国家の支配にある約５０００のドームＣＩＴＹ国家の最高権力者として、５年満期の国家元首市民大統領を任されたのだ。　旧来の人類の数１００万倍の知識量と情報処理能力を頭脳に搭載しながら、通常人類の感情と生命の根源を共有するスーパー人類系時代の幕開けなのだ。　この能力と才能なくしては、今後爆発する人類系の宇宙への生存圏拡大事業の重責を一人で処理できる新時代の大統領にはなりえなかったのだ。そう、人類系はまたしても過去の繰り返しをしているのだ。人口ならびにその消費エネルギーの抑制制御を淘汰できなかったのだ。　早晩、２度目の人類系の大移動のできる住居たる惑星を開拓せねばならないが、月面ほど容易ではない。また最近や有機元素、無機元素等々や、先住生命体からの防衛など新たな課題から取り組まなければならない。２１世紀後半に辛うじて当時の人類系が、少数の支配階層とその一群が月面へ移住し約１世紀掛けて開拓した歴史が、ＲＥＡＥ大統領の執務室の壁にもホログラフィー展示されている。その時に移住した人類を統率したのは、やはり信じ難いが異星から月面に偶然遭難してきた反量子銀河の同胞人類の祖先ＡＮＧＥ（アンジュ）であった。彼女の知性と行動能力は当時の人類系の数十倍あった。　こうした環境と能力の発揮には大統領制が有効であった。ＡＮＧＥの育った反量子銀河は帝王制と共和制の交互の政体の入れ替わりで支配される世界であったので、当初は地球の大統領制を帝王制と取り違えて反抗勢力を数千人一気に抹殺したりしたが、絶対君主ではないことを理解した後は、並みの人類以上に論理的で合理的な行動と運用を極めて高速に普及させた。この成果がこの後長く人類系全体の健全で効率的な進化に役立ったことは、その後の歴史が証明していた。　なぜなら、ＡＮＧＥが数世紀後天寿を全うした時までに、将来あるべき人類の社会と進化の姿をＣＩＮＥＭＡスターを用いて監督したホログラフィーＣＩＮＥＭＡを製作していたからだ。こうして、ようやくそのＣＩＮＥＭＡの最終章に登場するアンドロイド大統領が選ばれたのだ。ただし、この大統領がこの後今回の危機をどう乗り越えるべきかは、誰も知らないのだ。　ＲＥＡＥ自身が直感的に彼女の頭脳で思考し、行動に移せることが全ての解決策であろう。　そして、彼女を支援する最高の思考・価値演算支援システムＧＩＡ（ガイア）の能力とさらに支援人類系スタッフ達ならびに月面中のドームCITY群に張り巡らされた伝送援護バックボーンの性能が生存を決める。　「ＨＩＤＥありがとう。貴方は最期まで私の立候補を拒み続けた一人だけど、ついには理解してくれた。」　ＲＥＡＥは、最愛の友人であるＨＩＤＥに心からの感謝の意識伝送を行った。　　　口からも同様な発声が聞こえた。隣で聞いた同じく副大統領となったＧＡＩＮＳ（ゲインズ）が、涙を流しながら感動して、ＨＡＧしながらＲＥＡＥの頬に軽くｋｉｓｓした。　「おめでとう。」そして、意識伝送がＨＩＤＥからも還ってきた。「おめでとう、ＲＥＡＥ大統領。いまも本当にＲＥＡＥ愛しているわ。私達の信頼は一生涯変わらない。反対していたんじゃなくて、貴方が人類系の愚かさの犠牲としてエネルギーを使いきる姿が見てられないからだったわ。でも、それはやはり既に我侭な事態だったのね。確かに、ＧＩＡの算出したＤＮＡ配列からも、そして実在の貴方の能力からも貴方が今世紀で最高の能力を持った大統領であることは、間違いない。対抗していたＲＥＢＥＬＮ（レベレン）の能力も比肩してるけど感情が、アンドロイド的過ぎる。」そう、この大統領選の前にＨＩＤＥとＲＥＡＥは離婚していた。理由は、政治に対する思考の違いからだった。階級性が厳密化しているこの社会では、異なる階級同志の結婚は圧倒的な政治的な不利を負う。全階層からの圧倒的な支持がなければ、大統領には選出されない。予備選挙で落選してしまう。予備選は各階層ごとでの選出選挙方式であり、そうした社会規範を違反する政治家は好まれない時代となっている。完全正義主義という思想が求められる未来社会たなっており、それに見合う最高能力を求める市民の政治的な圧力は相当なものである。　「ＨＩＤＥわたしも変わらないわ。でも社会は政治家である私を求めるから、苦しいけど直接的な生活はもうできないけど、意識伝送は検閲されているけど介入は誰にも出来ないわ。それより、これから移住計画の策定作業に貴方の優秀な都市国家建設技術開発力を生かしたいのだけれど．．．どう参画しない？」　「ＲＥＡＥ、本当？許してくれるの。反対運動を扇動した私なのよ。貴方の政治的な立場を脅かすわよ。ＲＥＢＥＬＮは、彼女は冷酷よ、そして計算能力は貴方と同等なんだから悪知恵で攻撃してくるは。すぐに権力抗争に持ち込もうとするわ。」　「わかってる。既にそこは分析してみた。ＨＩＤＥもし、ＲＥＢＥＬＮが次に大統領になるとして、この一大事業の計画を誰に任せるか考えてみて．．．どう？」　「ええ～、判ったわ。当然その世界では一応世間の判定は私がＴＯＰね。しかもＲＥＡＥ反対派の首謀者ときたら、最高の兵隊ね！」　「そうでしょ。だから、古の例えに言うじゃない＜先手必勝＞ってね。」　「わかったわ。了解したわ。でも、発表は慎重に、それともう一緒には暮らせないから、私は直接人類系の移住場所の第二惑星「新地球」と、ここの往復生活で暮らしていくから。でも、ときどき意識伝送で、会ってね。では、元気でね」　「ありがとう。発表は来週として、副大統領に表の担当として補佐という形で参画という仕組みで。」　「ＯＫ。成功を、そして人類の過ちの償いが少しでも出来る事をいのるだけね。期待しているはＲＥＡＥ。」　「ええ、じゃあ気をつけて新地球へ行って来てちょうだい。」　意識伝送は双方で終わった。すぐにＨＩＤＥにもＲＥＡＥにも別々の担当者からの意識伝送が届いた。Ｇｉｎｇａ　ｏｐｅｒａ　