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そゆぶろ

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2024.06.08
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カテゴリ:オーディオ
今回レビューするヘッドホンは、往年のヘッドホンを復刻したモデルです。
PRIMO(プリモ)という日本企業が、自ら80年代に製造販売していた同名ヘッドホンを自社で復刻販売するという異色のモデルで、2023年から発売されています。プリモさんは1958年創業の歴史ある音響機器メーカー。主にマイク機材などを手がけている企業のようです。

CD-3は1万円でお釣りが返ってくる価格のヘッドホンですが、どんな特徴があるのでしょうか。


  外観





ハウジング背面を横切るネームプレート以外は当時の外観そのままの復刻だそうで、ステンレススチールむき出しのヘッドバンドには頭頂部にフィットするパッドはなく、プラスチック感の強いハウジングにも加飾パネルなどはありません。現在のワイヤレスヘッドホンとは比べ物にならないほどチープな外観と言えますが、ステンレススチールの側面はキレイに研磨してあり、ここで指を切ってしまう心配はないでしょう。


プラグは金メッキではありません



ハウジングはよく見ると中が透けて見える開放型です。
下の画像は画質のバランスをいじって分かりやすくしてあります。



重量(公称約88g)は一般的なオーバーイヤーヘッドホンの300~200g前後と比べて圧倒的な軽さ。左右両出しケーブルなので片方にだけ引っ張られることも少なく快適そうです。
ドライバー径はΦ39.5mmとサイズだけは現在のヘッドホンたちと同等で、スポンジパッドが軽快な装着感を提供します。




ヘッドホンアームとハウジングの連結はプラスチックのボールジョイントのような構造になっていて、長期使用で破損するとしたら、ここからかもしれません。可動域以上に動かそうとしない方が良いでしょう。


ヘッドバンドの調整スライダーもチープですが、目盛りはないものの多段式なので、左右の長さを合わせるのはさほど難しくなさそうです。


  仕様

再生周波数        10Hz〜20kHz
インピーダンス  35Ω
音圧感度           103dB SPL/mW
耐入力              50mW
ケーブル           Φ3.5mmシングルエンド
付属品              収納ポーチ

カナレ電気製(こちらも1970年創業で歴史があります)Φ3.5mmプラグの胴は約10mmと太め。ポータブルDAC/AmpでよくあるΦ3.5mm・Φ4.4mm入力が隣接しているタイプでは、干渉するかもしれません。
下の例はiFi audio Go bluです。CD-3はΦ3.5mmなのでGo bluのシングルエンドに挿してみると、隣のΦ4.4mm用の縁を少し踏むように干渉しますが、音はちゃんと鳴るので問題ありません。

やや太めのプラグパーツ(CANARE F-12Sでしょうか)を採用しているので、当時は良かったかもしれませんが、現代のポータブルデバイスではこうした干渉のほか、スマホやDAPなどはケースと干渉するかもしれません。



  音質(個人の感想です)

CD-3は開放型らしい抜けの良さと、角の立たない、柔らかくまろやかな鳴り方が特徴的なヘッドホンだと思います。つまり現在の技術を駆使した最新のヘッドホンやモニターヘッドホンと比べて、解像感や実在感、立体感といった点で価格以上のものを感じたわけではありません。

量感は中音域が多く、高域と低域は比較的あっさりとしている、いわゆるカマボコ型とか呼ばれる傾向です。中低域以外は籠りを感じさせず、出音の後は早々に遠ざかりながらロールオフしていくような、遠くへ離れていくような感じです。スカスカの低音にならないように敢えて若干の籠りを残している(これがグルーブ感を演出しているのでしょうか)といった印象で、他の開放型ヘッドホン同様、静かな場所で聴いた方が本来の鳴り方を感じられます。

ドライバーが耳の間近に位置するオンイヤー型なので、音場が広いとは感じませんが、開放型のメリットである抜けの良さが十分に感じられ、閉塞感はほとんど感じません。演奏自体は近距離で演奏されているけれど屋外コンサートだから開放的、という感じに近いでしょうか。しかしダイナミックレンジの狭い、常に音がせめぎ合うような曲は聴き疲れするかもしれません。

分離感と解像感は甘めですが、ボーカルにせよ楽器にせよ、音数の少ないソロパートでは意外とディテール豊かに聴かせてくれる一面も持っています(つまり多音なパートではその逆)。しかし音の方向や距離といった感覚をCD-3で聴きとるのは難しいと思いました。聴感上の立体感は音域ごとの量感や抜け方によるものという印象があり、立体感の描写力はそれほど高くなさそうです。


Bluetoothレシーバーと組み合わせて場所を問わず気軽に。


軽快な装着感とオンイヤーならではの気軽さはSennheiser HD25 Lightの装着感に似ています。加えてCD-3は開放型ヘッドホンなので、密閉型で感じる蒸れは極めて少なく側圧も緩めで、音漏れや侵入は避けられないものの夏でもなんとか使う気になれそうです。
仰向けに寝転がってもスポンジパッドが耳からズレにくく、聴こえ方もほぼ変わりません。本体重量が軽くないと自重でずれやすいですし、密閉型は隙間ができると聴こえ方も変わりやすいです。こうした点を考慮すると、CD-3の装着感はかなり良好と言えるでしょう。


Sennheiser HD25 Lightは密閉型で側圧強め。


●その他
環境音が侵入しやすい開放型ヘッドホンに共通することは、店頭試聴などでは小さな再生音の確認が難しそうな点です。小さな音は環境音に埋もれてしまいやすく、車を運転しながら聴くカーオーディオのようにダイナミクスが不足しているように感じます。これは他の開放型ヘッドホンでも同じで、細かなディテールをかき消されてしまうような環境よりも、静かな場所で聴く方が本来の鳴り方を感じられるので、簡単な試聴のみの人と所有者では、このCD-3も評価がバラバラかもしれないのは惜しいなと思います。



ポータブル利用をイメージさせるポップなデザインのパッケージで売られていますし、気軽に聴くのも全然良いのですが、静かな部屋で聴いてみるとCD-3の良さがもっと理解できると思います。















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Last updated  2024.06.09 14:17:22
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