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昨夜は、久しぶりにPowerBookを持たずにプレゼンテーションに出掛けた。いつもの革のパソコンケースを持っていたので、電源を用意してくれたが、そこから私が取り出したのはA4の紙。ペーパーレスが定着した企業のミーティングで、紙を配る。しかも、WordとかPowerPointで作成したビジネスライクな資料ではない。黒いトナー一色で印刷された8ポイントの文字だけが淡々と並ぶ、素っ気ない紙。
このプロジェクトでは、今後3本立てのコンセプトビデオを制作していく。今回は、合計約10名のメンバーで過去2回行ったブレストを咀嚼して、コンセプトビデオのプランニングシートを提示するタームだった。勘のいい人だったら、もう気が付いているかも知れないが、そのプランニングシートに書かれていたものというのは、ここ『物欲日記』でも時々載せているようなミニマルな文章。それぞれの参加メンバーから出てきた、まだまとまりを見ない言葉たちを、すっきりと一本の線で結び、詩調なシナリオに作り替えた。 ゆっくりと朗読。もちろん、彼らがイメージしていたであろうプレゼンテーションとは、ギャップがあることは判っていた。果たして理解してもらえるだろうか…。読み終わっても暫く静かなままの会議室。「どんなものをデザインするときも、私はまず言葉にしてみるんです。言葉にしてみて、スッと入っていくことができれば、それは大抵いいものになるんです」…暫くして「僕はいいと思うな」他の人も「うん、特にここの部分が」「でも、ここの部分はもっと削れるんじゃないかな」一気に話が盛り上がっていく。予定していた時間を過ぎてもなかなか収まらない。よかったぁ。どこでもこういう訳にはいかないだろう。期待通りの人たち。「実は、自分のサイトで、普段こんな言葉の練習をしていたりするんです」「うん、そうだよね。時々読んでいるよ」嬉しいなぁ。公と私が繋がってゆく。公でも、私でも、私(わたし)でいられる。そして同時に、自分だけの方法論のようなものが、何となく見えてきた時間だった。 さて、無事プレゼンテーションを終えて、そのままアパレルのオープニングレセプションに向かうべく表参道へ。LVMHグループ傘下の4ブランド、フェンディ、セリーヌ、ダナキャラン・ニューヨーク、ロエペが、次の日から新しいショップをオープンするという。私は知り合いの紹介で潜入。セレブな空気に包まれて、ドンペリニョンと美味しい料理を堪能。ケータリングは京都の料亭とのこと。遠慮なく頂く…^^;。美味しいぃ。しかし、あの艶っぽい雰囲気はアパレルならでは。芸能関係の人はもちろんだが、全体的に美しい人の密度がやけに高い!そこでひとつ気が付いたのは、彼らの業界で「モデル」といえば、「新しいデザインの服を着る人」のことを言うけれど、我々の業界で「モデル」といえば、「新しいデザインの模型」のことを言う。この差は圧倒的に大きい…^^;なんていうくだらないことを考えながら、慌ただしかった今週が締めくくられていった。 ちなみに、そこの建物の設計は隈研吾氏。外観は、見慣れた感のある縦の流れを強調したものだったが、内側の方は、堅い壁面から約30cm浮かせたところにネットが張られていたり、天井から直径約1cmのアルミのロッドが、床面近くまでズラッとぶら下げられていたりして、随所にレイヤーを意識した表現が盛り込まれている。ガラスにパターンを入れたりする方法と比較して、コストを掛けずに上手く見せている感じ。お掃除は大変そうだけど。それから、コストを抑えた感じは、正直、ブランドのショップが入っている方でも感じた。なんて、言ってもいいのかな…。 いやいや、とにかく久しぶりの日記だ。^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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