カテゴリ:雅楽・能・文楽
「胡徳楽ことくらく」は異色な舞いで、大半がセリフのない狂言のような
芝居でした。 家の主人が4人の客人を招いて酒宴を開き、家来がお酌を勧めますが、 家来はその酒を盗み飲みし、酔っぱらうストーリーです。 家来は客人の盃を渡すのを拒む、飲んでいる邪魔をする、少ししか注がない、など あからさまな態度に大きな表現なので、所々で笑いが起きました。 不思議だったのが、空間というか次元が3つあった事です。 1. 楽団たちの次元 2. 舞台で舞う人の次元 3. 芝居の舞う人の次元 3つめが特殊で、家来の舞いは次元に構わず芝居を続けます。 舞台に上がる、退出する時は決まった型の舞いがあるので 始まり終わりがその舞いでわかります。 客人4人がその舞いをして退出していると、 酔っている家来は舞いのマネをしたり、衣を引張って舞いを止めたりします。 この退出の舞いは、もう芝居ではありません、儀式の一部です。 それを邪魔している踊りには驚きました。 不思議だなぁと思っていると、家来は酔ったまま退出し、 楽団の鉦鼓(金属製の鼓)の方に倒れかかりながら、舞台袖へ消えます。 またまた違う次元の楽団の世界に入り込んだわけです。 家来の舞いはアドリブがあるらしいので、どこがそうだったのか知りたいところです。 でもお面が特殊なのでちょっとコワいから、 (雑面:蘇利古の時に使われるような顔が記号のようになった面) (真っ赤な顔で鼻が魔女みたいな面。遠くから見て天狗のようでした) (腫面:黒色?で醜い顔。遠くから見て凹凸が激しい) 笑わせてくれるんだ、というギャプもありおもしろかったです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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