「妻籠宿-その保存と再生」(彰国社)(著者:太田博太郎・小寺武久)
ちょっとした発見をしました。私は建築学科の小寺研究室(建築史・建築意匠)に在籍していたのですが、故・小寺武久教授は、長野県「妻籠宿」のまちなみ保存再生に携わっていたことを知りました。 「妻籠宿-その保存と再生」(彰国社)(著者:太田博太郎・小寺武久)という本にまとめられています。太田博太郎東京大学教授(故人)を中心に小寺武久先生(当時は名古屋大学講師)は、妻籠宿のまちなみ保存再生について昭和42年ころの基本方針から携わっていらっしゃったようです。太田博太郎氏は日本建築史研究の大家と言われる方で、著書は多いのですが、特に「民家のみかた調べ方」(現在絶版)は歴史的建造物調査にたずさわる者にとっては揃えるべき基本図書と、先日勉強会で講師をしてくださった村田敬一先生はリストの一番で薦めていらっしゃいます。 妻籠宿保存計画は、集落全体を保存しようという日本で初めての計画で、そういった計画もそのための調査も、それまで例がなかったそうです。そのため計画書を読むと非常にライブ感があって楽しいです。取り組みが始まって10年近く経つ昭和51年に「重要伝統的建造物群保存地区」制度ができ、その年に他の6地区とともに重伝建地区に選定されたそうです。 現在、桐生の重要伝統的建造物群保存地区の取り組みにかかわっていますが、まちなみ保存という今まで縁もゆかりもなかったことをやっている、と思っていましたが、大きな縁があったことが分かりました。 学生時代には、木造しかも伝統的建造物には、全くと言っていいほど興味がなかったのですよね。