デビルのボヤッキー

引き続き・・長いな

「全然筋肉がない。10分音合わせをやったらあっちが痛い、こっちが痛いと
言い出す。練習メニューがこなせない。ダイエット競技と位置づけられてい
たため、食事を十分に摂っていない。1日5000Kcal摂るために食生活の改善、
水中9時間の練習に耐えるための筋トレから始めなければならない。

スケジュールなんて狂いっぱなしや。1年８ヶ月しかないのに、筋肉の必要
性を説きながら午前中は陸で筋トレ。料理秤を買ってきて食生活の教育。
こりゃ間に合わないわと思ったけど、彼女たちは泣きながらでもついてきて
くれた」

日本では当たり前の土台がない。基礎体力がない。筋力もない。初めて直面
することばかりで、日本の物差しでは理解不能なことも多い。

「本当に深く考えながら仕事をしてきた。シンクロと雑念なくイチから向き
合うことができた１年８ヶ月だったと思います」

人生のいい時を過ごせたとも言う。中国での苦悩の日々は井村のコーチ人生
をさらにひと回り大きくした。それを実感できたからこそ言えた言葉だろう。

井村の考える選手の辞め方
「自分が納得できるかどうか。納得できれば選手生活で得たことが次の長い
人生に生かせるはずで、新しい生活に向かうパワーが生まれない時に辞めた
らあかん」

つづく