2004/09/10(金)04:46
トルコの農村生活について
ちょっと整理中です。
私がよく訪れるトルコの村は、イスタンブールからバスで13時間。
そこからまたミニバスに乗り換えて、1時間の小さい村である。
飛行機を利用すればもうちょっと時間短縮できるが、あらゆる経費をケチると、このように発狂しそうな行程をたどることとなる。
ただ都会から離れてる分、生活はのんびりしているし人も素朴であたたかい。
食事をしていると、近所の人が勝手に入ってきて
「おお~一緒に食べないか?さ、座れ座れ」ということになるのは当たり前。
普通に電話もせずにやってくる。
台所では知らない人が料理してたり、夜集まった時にはその家の人じゃない人が皆の為にチャイを入れたりする。
昔の日本の農村みたいなのだ。
そう言えば東京都区内に住んでいたけど、子供の時はカギなんてかけなかったな~と懐かしくなる。
そんな村の人たちの大切な収入源は「農業」。
この村では主にオリーブやピーマン、イチジク、綿花なんかを作りそれを売ってお金を得ている。
その他にも、ブドウ、クルミ、クリ、トマト、キュウリ、ザクロ・・・なんでも作っている。
私が行った時、一家は丁度ピーマンの苗の植えかえの時期だったのでちょっくら手伝ってきた。
だって、この広さの畑にこの人数で苗を植えるのだ。
見ての通り手植えだ。
こっちを見ているのは数日後に花嫁となるナズィレだが、ブライダルエステなんか気にせず、炎天下に肌をさらす。
他は親戚の女性達が手伝っている。
男性は大工など他の仕事を持っているので、手の空いてる人でないと手伝わない。
あ、一家総出のご家庭もあります。その辺はおうちによって違いますよ。
ここはナズィレの家の畑だが、お母さんはヘルニアを患っているので植えかえはできないらしい。
親戚の女性はほんとに手伝いなのだ。
この畑を何日かかけてピーマンの苗で埋めて行く。
かなりの重労働だろうが、イヤな顔してる女性はいない。
彼女達にとってこれは生活の一部で、手伝うこともお互い様の当たり前なのだ。
トルコはオーガニック等の法律の整備をしたのがこの2~3年ということもあって、
トルコの村の人にはほとんど知られていない。
だから野菜なんかには農薬を使っている。
まあ、日本のスーパーなんかで売ってる野菜もほとんど使ってるから、気にしないで食べている。
オーガニックの野菜の需要が増えて高く売れるとなれば、もう少し広がるかも知れないかな・・。
ただ、オリーブやイチジクなんかはもう忙しいし、かまってられない!ということで、
結果的にオーガニックになっているようだ(笑)。
トルコの農業は基本的に「放置」。
あのエーゲ地方特有の強い日射しと乾燥した風土にあって、
間違っても毎日、水やりになんていかない(爆)。
でもモノの本で読んだけど、そうやって余り水を与えず植物に過酷な環境を与えることが、
かえっておいしい野菜を育てるらしい。
水を求めて、強く根をはるせいだ。
それでいくと日本の農作物は、過保護にあたるとのこと。
なるほど、トルコの野菜は青臭くってみずみずしくって昔の野菜のままの味。
濃くておいしいのだ。
だから苗の植えかえが終ると、しばしのんびりムードになる。
しか~し・・・
ひとたび収穫の時期になると強烈な天日を利用して、ピーマンを干してパプリカ粉を作ったり、
干しイチジクを作ったり、
トマトを干してサルチャ(左の食材ページ参照)を作ったり、
オリーブを搾ってオリーブオイルを作ったり、そのオイルで石鹸を作ったり、
ザクロやブドウを醸造してお酢をつくったりと、
保存の為の加工をしなくてはならないので、とっても忙しくなるのだ。
ヒマな時期、彼らは何をしているのかというと、レース編みをしたり、
秋に収穫した綿でふとんを作ったり、おしゃべりしたりして過ごしている。
そうやって1年を過ごしている。
苗を植えた後は、畑から離れた家まで車で帰る。
この日は数日後、結婚式ということもあって車がなく、
携帯(!)でタクシーを呼び、
全ての荷物とふくふくとよく太ったご夫人方6人を詰め込み、帰って行った。
タクシーに親戚の息子(ユヌス)が乗ってきてしまい、余計きつきつになった。
「ユヌス!なんで来た!」さんざん文句を言われたユヌスである(笑)。