41 フィロパキセラス
平成16年度に行った試掘調査で、北方系のシンビルスキテス(ボレアル)や南方系のバレミテス(テチス)の他、クリオセラティテス(パラクリオセラス)など10種50点以上のアンモナイトが見つかりました。今回は、そのうちのフィロパキセラスPyllopachyceras cf. bulgariumを取り上げます。 フィロパキセラスはフィロセラス科に属する白亜紀前期(バレミアン期)から白亜紀後期(マーストリリヒティアン期)に生息したアンモナイトです。 フィロパキセラスはヨーロッパ・北アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドなどから見つかっており、日本からは、北海道の白亜紀後期の地層からよく産出します。なお、今回の標本はブルガリアで見つかった標本を参照し、白亜紀前期のものとしては日本で初めて報告されました。 これらはボランティアや新潟大などの方の協力を得て、一つ一つ石を割り、中に化石があることを確認し、さらにクリーニングなどをして、標本の確認をしています。その後、化石の写真を撮り、論文用に写真の加工をするなど、膨大な事務作業もしています。つまり、日々の地道な作業が私たちに新しい見聞を広めてくれるのです。 私たちも日々の何気ない作業を大切にしていきたいですね。By 恐竜センター(佐藤)※記事において新潟大学大学院の寺部和伸さんのご協力をいただきました