今回紹介するアンモナイトは正常巻きのシレシテス(埼玉県の酒井さんが発見)です。このアンモナイトは表面の模様がはっきりしているのが特徴です。また、今まで登場した化石と違い、三山層から見つかったもので、大きさは、縦4.7cm、横9cmです。このシレシテスというアンモナイトは千葉県銚子からも見つかっています。
さて、三山層は白亜紀前期アルビアン(約1億年前)の地層で、山中「地溝帯」の中でもっとも新しい地層です。三山層は埼玉県秩父郡小鹿野町三山が模式地(もしきち:その地層の標準として指定された場所のこと)です。残念ながら神流町では一部を除き三山層から化石はほとんど見つかっていません。
化石や地質の研究により、白亜紀前期の神流町は石堂層(約1億3千万年前)が堆積した頃は内湾があり、その後瀬林層の頃(約1億2千万年前)は海が退き海岸線が広がり、そして三山層の頃(約1億年前)には再び海が広がり、海がだんだん深くなっていきました。こんなことが分かるなんて、なんだかとっても不思議ですね。
By 恐竜センター 佐藤