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あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2023.03.03
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テーマ:自分らしさ(4)
カテゴリ:緩和ケア
ほぼ同じ時期に当ホスピスに入院した78歳の男性2人の話。AさんとBさんとしておこう。二人とも70代の妻と二人暮らし。

Aさんは長女が近隣に嫁ぎ、買い物や掃除、洗濯などを手伝っている。長男は隣の県にいるため、余り接触はない。
Bさんは長男が敷地内に新屋を建て、お嫁さんが身の回りの細々としたことを手伝っている。長女は他府県にいて、時々顔を出す程度。

入院して一週間経って、2人とも痛みはコントロールでき、そこそこ食事も摂れており、帰りたいと訴えるようになった。ただ、2人とも足腰が弱りトイレに一人でいけなくなっている。
家族に事情を話すために面会と面談をした。

今回、家に帰る話がまとまったのはBさん。

Bさんはお嫁さんに迷惑をかけたくないからと、尿道カテーテルをいれることを自ら希望。お嫁さんは「トイレぐらい手伝うのに。」と言いながらも舅の申し出を喜び、退院の日取りを決めて妻と二人帰っていった。

Aさんは「小便は立ってせんことには出ない、カテーテルもオムツもワシの自尊心を傷つけるもの。」、と看護師2人介助でのトイレ行為を当たり前の如く思っている。そして「家でも妻と娘に手伝って貰えば何とかなる。」と宣った。娘は「オムツかカテーテルにしない限り家は無理やと思いや!」と告げ、さっさと一人帰っていった。残された妻はオロオロ。Aさんに「お前の教育が悪いから親の面倒もみれない。」と怒鳴られている。

自分らしさとは何だろうと考えさせられる、好対照な2人でした。





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Last updated  2023.03.03 23:22:35
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