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カテゴリ:緩和ケア
たましいのケア増補改訂版 病む人のかたわらに [ 藤井理恵 ] 近日、藤井理恵さんの講演を聴く機会があるので、彼女の本を購入して読んだ。一卵性双生児の姉、美和さんとの共著である。 理恵さんが淀川キリスト教病院のチャプレンとして、美和さんが関西学院大学人間福祉学部の講師として、働いているときに書かれた本。初版は2000年。 オススメです。☆☆☆ ポイントをまとめておく。 第一部 藤井理恵 チャプレン 第二章 スピリチュアルケアの対象となる痛み、問いとは ①生きている意味への問い②苦悩の意味への問い③人生の価値④孤独⑤罪責感⑥限界⑦死や死後の世界への問い 第三章 訪問時の注意事項 ①病む人は受け身だ②訪問回数③訪問時刻と時間④心を白紙にして入室すべし⑤同じ峻さの目線⑥話し言葉 関わり方 ①安易な励ましより沈黙に耐える勇気②聴くことは難しい③人間としてどうあるか④限界を知る⑤寄り添う⑥クリスチャンへの配慮 第四章 患者さんから教えられたこと ①苦しみの意味に対する答え 重荷を背負っている人は私のところへ来なさい。休ませてあげよう。 ②神様が決めてくれる「時」 あなた方のために、私は場所を備えに行く ③問わなくてもすむという答え たとえ死の陰の谷を歩くことが合っても私は災いを恐れません。あなたが私とともにおられるから ④委ねるということ インマヌエル=神はわたしたちとともにおられる ⑤寄り添うこと 人間は人と関わる時その結果を求め、それを関りの目的としてしまう。結果はあとからついてくるもの、神が与えてくれるもの。 ⑥心を理解する 人はうわべを見るが、主は心を見る。 ⑦幼子への成長 悔い改めて子どもたちのようにならない限り、天の御国には入れません。 ⑧限界を超える安らぎ あなたの重荷を主にゆだねよ。主はあなたのことを心配してくださる ⑨すべてを神に あなたの持っているもので、貰っていないものがあるか 第二部 藤井美和 28歳時に急性多発性根神経炎に罹患、長いリハビリを経て社会復帰 シアトルホスピス Rスミス そこに死がある。だからこそ死について考えることが必要だ。死はどこにも逃げていかない。我々が意識的に死について考え始めるまで、死は我々の意識下で恐怖として蠢いている。 Nバイロット、Wリンク 強い希望はその人に困難な状況を乗り越える強さを与え、弱い希望は諦めに繋がる。一つのゴールに到達するには強い動機が必要であり、希望なしにはその目的に到達することはできない。 身体的、精神的、社会的な痛みは薬や他の人の助けによってある程度は和らげることは可能。だがスピリチュアルな痛みはそれらでは和らがなく、自分自身で和らげるもの。ただ、寄り添う人がいることは大きな助けになる。 C・A・コール 死にゆく人は生きる人たちであって、まだやり残したこと、死ぬまでにやっておきたいことを持っていることが多い 私たちが、死にゆく人の積極的な聴き手にならない限り、本当の意味でのケアは提供できない。 私たち自身をよく知ること、つまり人間は限界を持ち、傷つきやすい存在で、必ず死を迎えるものであるが、しかし同時に、支え合い、愛しあう存在であるということを死にゆく人から学ばなければならない。 ウォーデン 悲嘆のプロセスを進めるには、大切な人のいない環境に適応し、亡くなった人を情緒的に再配置して生活を続けることが課題になる。 まとめ どんな状況にあっても私たちはどう生きるかを問われる存在であることを心に留め、私達自身の、また病む人のたましいの語りかけに耳を傾けること お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.11.23 17:18:44
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