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テーマ:美容院(1023)
カテゴリ:思考遊戯
パーマをかけることはある種の賭けである。
洒落ではない。断じて。 (意図せずに洒落を言ってしまう事ほど恥ずかしいことはない。) パーマは高い。だいたい普通の美容室だと8000円~12000円くらいだろうか。(カット代別) さらに、通常のカット以上に本人にも、美容師にも仕上がりの予測がつき辛い。 もちろん、なるべく腕の良い馴染みの美容師を選択すればリスクは軽減されるが、それでも絶対ではない。 まして、私は美容師を指名しない宣言を勝手に出している身だ。 毎回違う美容師と会話を楽しむというプラスの動機もあるが、 指名を外された人がなんだか可哀想というくだらない同情と、あの人がお気に入りなのかと思われるのが恥ずかしいというくだらないプライドからだ。 (ちなみにくだらない同情と言ったのは、相手がプロだからである) そんな私にとって、「パーマとカットでお願いします」と予約を入れてからが既に賭けのスタートなのである。 今日は運悪く初対面の美容師であった。 私の毛質、毛量を把握してはいまい。 一応、今までの記録、カルテなるものがあるがそんなものはあてにはならない。 美容師も見てすぐ分かる事だが、予め言っておく。 「僕、めちゃくちゃ髪の毛多くて硬いですから」 私は髪の毛が非常に多く、硬く、そして太い。 カットする時かならず「すく」という毛量調節の工程があるが、 一人分の髪の毛が床に落ちてなお、まだ人並み以上の毛量を保つので驚かれる事がある。 硬さも相当なもので、髪を触っていたら指の薄皮一枚のところに刺さったという経験が今までに10回弱ほどある。 太いということは丈夫だということで、パーマも少し強めにかけないとすぐ取れてしまう。 とにかく、それらを伝えたくて「僕、めちゃくちゃ髪の毛多くて硬いですから」と言ったのである。 美容師の方も私の忠告と自分の判断で感じ取ったのだろう。 「これはただごとではない」と。 とにかく、まずはすく、すく、すく。これでもかと言うほど髪の毛を減らす。 ここで失敗するとサッカーの中沢のようなボンバーヘッドになってしまう。 上から物が落ちてきた時などは便利だろうが、日常生活に支障をきたすのでさすがにアレはやばい。 そしてついにパーマである。 すぐにある程度落ちてしまうことを計算して、きつめにかける。 入念にロッドを巻き、1液をかける姿は中々に手際がいい。 先ほどのカットもかなりイメージ通りの仕上がりだったし (これはアタリだな) と内心ホクホクしていた。 そして頭にサランラップをまかれる。 「しばらくお待ち下さい」 と言われ、雑誌を手渡された私はそれに目を通して時間を潰す事になった。 (今日はいい感じの人に当たったな。次回は指名してみようか) そんな事を考えながらSMARTの11月号を読む。 この冬のアウター・ベスト100 (へえー今年はこんなのが流行りなのかあ) (って暑いんだよ!八月だよ今!しかも去年じゃん!) 標準語でのノリ突っ込みも心の中で出たことだし絶好調だ。 去年のファッション誌を堂々と渡してきたことも店側のボケだと前向きに解釈する余裕が今の私にはある。 他にもセレブのセレクトカタログという特集があり、これも突っ込みどころ満載であった。 とりあえず金子賢は確実にセレブではない。 最近セレブという言葉が安っぽくなって面白ワードと化している。 まあ、そんなこんなで楽しくSAMRT11月号を読み終わった。 まだ美容師は来ない。 (仕方ない、他の雑誌を読もう) 手を伸ばして女性セブンやアンアンを読む。はっきり言って読むところはほとんど無いが、無理して読む。 (それにしても、ちょっと遅すぎないか・・・?) 美容師が来るのがかなり遅いと気付き始めた私は脳内が不安で薄暗く染まっていくのを感じていた。 つづく・・・・・ あとお手すきでしたら上の三つもポチッと押してやってください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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