Dr.北西のひとりごと

2022/07/05(火)05:50

7月3日の日記

実質医師1人で診療所を開業した当時、在宅療養支援診療所開始前夜で、訪問診療だ けで開業するという発想がなかった。また有床診療所であった当院の空室を活用する には当時外来小児科学会の先生方が進めていた「病児保育」として利用するのはどう かと考えた。儲けようという発想もない。今では「一般外来研修」で東京、千葉から 年間5~6名の研修医が来るようになった。つまり僕の経営は行き当たりばったりで、 今にきている。1人診療所での経営は外来数の限界と1人の単価も知れており、大きな 収益にはならず、多くの人員にはなれない。また周辺の開業事情、人口構成の変化に 左右され不確実に満ちている。かかりつけ医制度も未知数で、突然のパンデミックも 経験した。そんな時にある方から「エフェクチュエ―ション」という経営哲学を教え てもらった。なるほどなと思った。後10数年こんな風に生きていくのかな。 以下エフェクチュエ―ションの原則の要約。 手中の鳥の原則:手段からスタートする 将来の目標達成のために手段を入手するではなく、「今」、自分たちがすでに持って いる「手段」(物、人脈、知識や技術など)でできることはないかを考える。 許容可能な損失の原則:最初に失敗してもいい範囲を決める 成果を出すことよりも、どこまでの損失であれば許容できるのかを決めて、それを上 回らないように行動する。 クレージーキルトの原則:積極的にパートナーシップを組むことで、良い結果を 紡ぎ出す。たまたま相談した相手が思わぬ知識・技術や人脈を持っていて、さらに別 の方法、人、モノ、につないでくれる場合がある。 レモネードの原則:問題や偶然を避けるのではなく、チャンスに変える。レモ ネードの原則は「すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れ」というアメ リカの格言に由来する。予期せぬ事態や問題をテコに何かできないか(レモネードを 作れないか)を考えようという原則。 飛行機のパイロットの原則:不確実なものより、コントロール可能なものに集中 する。まだ得られていない結果に焦点をあてるのではなく、今、コントロールできる ことに集中し、それがうまくいくように気を配ること。

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