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会社を辞めて旅に出た ~いつのまにか雲南定住~

会社を辞めて旅に出た ~いつのまにか雲南定住~

ゴクラクチョウを見に行こう

ゴクラクチョウを見に行こう

 パプアニューギニアに来た目的は二つあり、一つはゴクラクチョウを見ること、もう一つは奥地の村を訪ねることだ。まずは一つ目のゴクラクチョウを見るために、首都ポートモレスビーにある環境保護省(?)を訪れ情報を得ることにした。行ってみて担当官から話を聞いたところでは、ポートモレスビー近郊にバリラタ国立公園があり、そこでゴクラクチョウを見ることができるという。そしてラッキーなことに、ちょうどその国立公園のマネージャーが買出しの為にこの事務所に顔を出しているところだった。

 早速彼を紹介してもらい国立公園についての情報を教えてもらったところ、公園内にはロッジがありそこに泊まることが出来るという。しかし食堂はないので自分で食料を持ち込み自炊せねばならないということだった。こういう時のために私は日本からクッキングストーブとコッへル(鍋)を持ってきたが、早速役に立つ。

 それからどのようにバリラタ国立公園まで行ったらよいのか確認すると、なんとマネージャーが明日国立公園に戻るのでついでに乗せていってくれるという(ガソリン代は私が負担)。ポートモレスビーから国立公園まで直接行くバスはないのでこの申し出は非常に有難かった。明朝9時にホステルまで迎えに来てくれることを確認し、お礼を言って事務所を後にした。

 私のこれまでの経験から言うと、情報収集を兼ねて現地の役所を訪れると時々このように便宜を図ってもらえることがあるのだ。時間に余裕がある場合は皆さんも試せれてはどうかと思う。

 事務所を出てから国立公園に持っていく食料の買出しのためスーパーマーケットに行った。その店の入り口にはいかめしい顔つきの体格のいい男が銃を手に見張っている。パプアニューギニアでは銃や凶器を持った強盗が他国と比較し多いようで、銀行はもちろん中規模以上の店やホテル等ではこのような銃を持った警備員を配置しているのだ。日本という安全な国にいたせいか、このように銃を持った人間を普通に目にするというのはどうも落ち着かない。

 店内に入ると予想に反して棚には結構いろんな食料品が並べられており、欲しいものはほぼ買うことが出来た(*1)。私の好きな「ピーナツバター(*2)」もちゃんと入手出来ひとまず安心。ホステルに戻り買った食料品等を整理していたら、紅茶はティーバッグのつもりだったのにティーポット用、塩のつもりがコショウを買っていたことがわかった。見慣れない商品パッケージのせいで、どうも勘違いがしたようだ。

 翌朝9時過ぎ、国立公園マネージャーのベンはドライバーと一緒に4WD車に乗ってホステルまで迎えに来てくれた。途中ガソリンを補給しバリラタ国立公園へと向かう。ドライブ中に聞き出した話によると、バリラタ国立公園はパプアニューギニアで最初の国立公園で、現在ウエスタン・プロビンスに三つ目の国立公園開設を目指し準備しているという。パプアニューギニアにはまだ多くの熱帯雨林が残っており、保護していくと同時にそれを生かしたエコツーリズムを展開し、今後の地域住民の生活向上に寄与して欲しいものだと彼の話を聞きながら思った。

 ポートモレスビーの町から出たジープはソゲリの町へと続く道路を徐々に上りながら進んで行った。1時間ほど進むと公園への分かれ道が前方に見え、そこ右折してさらに曲がりくねった道を30分ほど上って行き、ようやくバリラタ国立公園に到着した。

国立公園のロッジ  早速公園内のロッジに案内してもらうと、そこはいたって簡素な作りで、三畳くらいの広さに窓が一つとベッドが置いてあるのみ。しかも久しく利用者がいないらしく荒れ放題の様子。水は屋根から雨水をタンクに貯めて使う構造だが、何故だか水は全く貯まっていない。「うーん、これでもやむをえないな」と渋い顔を見せていたら、スタッフが少し離れた別棟へ案内してくれた(こちらはもう少しマシな様子)。その別棟はそもそも研究者用で、現在は利用者がいないためスタッフが使っていたようだった。その1室を私の為に空けてくれるというのだ。なんというありがたい申し出。感謝の気持ちを笑顔で精一杯表現して礼を言った。

  トゥリー・ハウス

 荷物を部屋に降ろしマネージャーのベンからロッジ使用の簡単な説明と、ロッジ付近のトレイルについてさらっと案内を受けた。バリラタ国立公園は手付かずの原生林というわけではなく、かつてエリア内にはコイアリ族が住んでいたということ。彼らは狩猟採集の生活をしていて、高い木の上に家(トゥリー・ハウス)を造って住んでいたことなどを教えてもらった。ロッジの近くにもそのトゥリー・ハウスがあったが、残念ながらこれは実際に使われたものではなく展示用に作ったということだった。

 その日はロッジ周辺を歩いただけで時間が無くなったので、翌日早朝からガイドをしてもらう約束をして夕食の準備をすることにした。夕食後トイレに行くため外に出たら夜空には溢れんばかりの星がきらきらと光っていた。  次を読む

*1 米、パン、インスタントラーメン、ハム、野菜、バナナ、調味料、ビスケット、チョコ、ピーナツバター、紅茶、水等、約1週間分の食料(2000円ちょっと)を買った。

*2 パンにピーナツバターをぬって、薄くカットしたバナナをはさんで食べるとなかなか美味しい。お試しあれ!ひょっとすると、海外だから食べれるのかもしれないが・・・、日本ではまだ試していない。



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