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会社を辞めて旅に出た ~いつのまにか雲南定住~

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2005/04/08
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カテゴリ:旅のトラブル
海外旅行ではどんな病気にかかるか分からない。特にその病気についての予備知識がない場合は結構不安になるものだ。

 1年ちょっと前、マダガスカルを旅行していた時のこと。安宿の部屋で裸足で寛いでいたら、右足の足の裏、土踏まず辺りの皮膚に小さな隆起を見つけた。水泡性の水虫にでもなったのかなと思い、とりあえずそこに水虫薬を塗り、様子を見ることにした。しかし、患部は良くならず、逆に少しずつ大きくなっていった(特に痛みは無い)。

 10日も経過すると、皮膚のその隆起は直径5ミリほどの魚の目のようになり、内部は何か膿のようなものがたまっている様子。そして、その横には新たに小さな隆起が2つできた。どうも水虫とは違うようだし、皮下に膿が溜まっている可能性があるので、その魚の目状の突起を削ることにした。

 雑菌が入らないようナイフをライターで焙ってから、突起の表面を少しずつ削っていく。数回繰り返し削っていると、なにやら膿のようなものが中から出てきた。

 「これは全部皮膚の中から出してしまわなければならない」と考え、その周辺部をつまみ、絞り出す。ほぼ膿は出たようだが、その痕には何か透明の薄い膜のようなものがひっついている。皮膚組織とは違うようなので、その膜をつまんで引っ張ってみるが、容易にはとれない。多少の痛みを覚悟し、再度強く引っ張ると、ようやくその膜がとれた。

 すると患部は直径7、8ミリのくぼみとなってしまった。出血は殆どないが、そのくぼみから体液がにじみ出てくる。これこそ放置しては雑菌が入ると考え、薬局へ行って消毒薬と抗生物質配合の化膿止め、ガーゼを買い、手当てをした。

 1週間もするとこれらの傷口もふさがり、とりあえず安心。しかし、そのうち今度は右足小指の爪付近にも前回同様の異常を発見。「また変だな」と思っていたら、外を歩いている時、みやげ物売りのオバさんが私の足を指さし、「パラシト」と何度も言ってきた。最初は何のことか理解できなかったが(マダガスカルはフランス語で当然私は理解できない)、私の右足小指、ちょうど気になっていた所を指して言うので「パラサイト(寄生虫)のことか」とようやく気づいた。やれやれ、である。

 「水虫にしては変だな」と思っていたものの、まさか寄生虫だとは思いもよらなかった。宿に戻り、前回同様、患部表面をナイフで削っていく。今回は中に体長1センチ弱の体を丸めた寄生虫を見つけた。ナイフとピンセットで慎重に取り出した。赤チンのような消毒液により、その小さな幼虫のような虫は体全体が赤黒く染まり、既に死んでいた。

 それにしても、自分の体の中から異物、それも生物がでてくるというのはなんとも奇妙な感じだ。前回、ナイフで削った時に「膿」と勘違いしていたのは、寄生虫の体液だったのだ。そして「変な薄い膜」は寄生虫の表皮・・・。まったく気色悪い。無知というのは本当に恐ろしいものである。

 その後も次々と足の爪周辺に異常をきたし、その度にナイフとピンセットで寄生虫を取り出した。結局、左右の足で計8箇所寄生虫の被害にあったのだった。

 帰国後インターネットで調べると、あの寄生虫はスナノミだったことが判明した。それにしても、ガイドブックにはスナノミのことなど書かれていなかったように思う。一体どういう状況で卵を産み付けられたのか今でも分からないが、サンダルで歩いていたことに原因があるようだ。マダガスカル以外でもアフリカ、インド、南米等でも被害はあるようなので、気をつけた方が良さそうだ。

 「スナノミ」について詳細を知りたい方は、こちらをクリック。





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最終更新日  2018/07/11 08:01:59 PM
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