エッカーマン『ゲーテとの対話 上』山下肇訳、岩波書店★★★★★ 計3冊。 ドイツ語題名Gespreche mit Goethe in den letzten Jarens Seines Lebensのとおり、生のゲーテと親交があったエッカーマンによる、ゲーテ最後の9年のなかで交わされた対話の集大成。対話本といってもそのほとんどがゲーテの言葉から成り、ゲーテという人物の生き方や思想が伺える。 ゲーテは『ファウスト』を最初に読み、そこで氏をもっと知りたいと思ってこの本を購入。読みながらまるでゲーテ自身が自分に直接語りかけているような気分になる。 個人的に旅するときの座右の銘として置いている「誰でも旅行をするについては、何を見るべきか、何が自分に大切か、を知っていなければならない」ということばもこの本から得たもの。心に響く名言や人生に影響を与えそうな言葉が多くあり、実際に自分の生き方にも影響を与えている。 ゲーテ好きのみならず、生き方・思想を考える者にもお薦めの一冊である。 |