その他の「時間泥棒」常習犯への対処 その2
「TQ 心の安らぎを発見する時間管理の探究」の第1章、「時間泥棒」トップ5に引き続いて、「その他の時間泥棒」への対処法を読んでいます。昨日は、「不明確な役割分担」と「不必要な会議」でした。現在読んでいるのは「他からの影響を受ける時間泥棒」グループに属するものということもあり、組織の中の自分、他人とともに日々を送っている自分というものを意識せざるを得ない内容です。本日は「過度の仕事量」「コミュニケーションの欠如」「機器の故障」の3つの時間泥棒について、著者のスミス氏の対処法を見ていきます。いずれも参考になる部分があれば、積極的に取り入れていきたいところです。過度の仕事量過労死が社会問題として定着してから(これ自体、明らかに望ましいことではありませんが)、ずいぶん時間が経ったように思います。仕事のオーバーロードは、生産性を低めるだけではなく、最悪心身にも悪い影響が生じるのは皆さんご存知のところでしょう。喫水線、ご存知ですよね?船体に引いてある、これ以上沈むと重量オーバーなことを示す線です。船体の色が塗り分けられている場合もあると思います。19世紀の船には、この喫水線が引かれていなかったそうです。そのため、超過積載の船がそのまま沈没する、という今考えると信じられない事故が本当に生じていました。で、1880年にようやく喫水線が法律で義務付けられたそうです。正式には法案提出者の名前を取って「プリムソル標」と言います。人間にも喫水線があるのだ、とスミス氏は言います。それは何かというと、口から発せられる言葉だと言います。「これ以上仕事を引き受けられません」「いいえ」と言わなければならない時はあるのだ、と言います。正直、飲み会の愚痴ならしょっちゅうですが、上司と面と向かってはなかなか言いづらい言葉だと思います。この「いいえ」を言うために、その日の計画ができている必要があります。または、優先順位が明確になっている事が重要です。こうした土台があって初めて、「いいえ」と言うことが出来る、そうスミス氏は述べています。たしかに、仕事量は人の主観によって違うものです。現状の説明も無く「いいえ」を言っていたら、単なるワガママで終わってしまいます。自分がこなせると思っている以上の仕事を抱えてしまった場合、そこで頑張ることが、ある意味で自分の能力向上・成長につながることも当然あると思います。私のように人生経験が少ない人間は、半端に「いいえ」を言うことは控える必要があるでしょう。ただ、こうした考えで愚図愚図していることが、「過度の仕事量」という時間泥棒を呼び込むことにつながる面もあるでしょう。どこで「いいえ」というかは、改めてスミス氏の言う『自分の価値観』が明確であると思い至ります。それに基づいた・計画・優先順位という土台があれば、単なる「わがまま」と取られない形での主張もできるはずです。言う必要のある時にきちんと言えるように、自分というものを明確にしておく必要が有ると、強く思いました。コミュニケーションの欠如これも様々な場面で経験することです。コミュニケーションが不十分な為に、各人の役割や方向性が明確でなければ、無駄な時間(場合によっては年月)を費やすことになります。こうした場合、往々にしてストレスも積み重なるのでは、と経験上思います。ここでスミス氏は、まずは自分のビジョンが問題である、といった趣旨のことを述べています。今は「他が原因となっている時間泥棒」を見ていますが、コミュニケーションの問題はまず自分であると読み取れそうです。コミュニケーションの問題は、心にはっきりとしたビジョンがないことに起因していることが多いとスミス氏は言います。自分がその場で期待されている事について、明確なビジョンがあれば、そしてそれを同僚や上司に伝えることができれば、膨大な時間の節約になると言います。これは最初にとりあげた「不明確な役割分担」を、自分から作り出している状況だ、と読み替えることも可能でしょう。両者は表裏一体であると考えられます。逆に言えば、自分のビジョンを正確に伝えることができれば、「コミュニケーションの欠如」だけでなく「不明確な役割分担」も、ある程度は改善できるのかもしれません。機器の故障これはもう、誰しも経験したことがあるはずです。普通に部屋の中で作業をしているだけでも、パソコンがフリーズした。データの保存ができていなかった。コピーが上手く働かない。プリンタのインクが上手く出てこない。etc.etc.・・・といった経験は恐らくあなたにもあると思います。スミス氏の対処方法は明確です(ある意味、当たり前とも言えます)。・故障しないように予防策を講じる・故障の際どうするかを決めるか、緊急時の対策をあらかじめ用意しておく予防策については、例えば上の例で言うとバックアップをこまめに取るとか、プリンタのインクをあらかじめ買っておく、などちょっとした事が有効に働きます。緊急時の対策については、日常の機器の故障ではそれほど大げさに考えなくても良いのではないでしょうか。例えば、同じ建物の中で同じ機器の有る場所をあらかじめ調べておく、キンコーズの所在地を手帳にメモしておく、などです。これは時間のある時に一度思いを巡らせて、できればメモをしておけば、それだけで非常に多くの時間が節約できることに気付きます。ちょっとした手間を惜しむな、と改めて教えられている気分です。日常の些細なトラブルだからこそ、自分なりの「有事立法」をしておくことは、積み重ねれば大きな節約になりそうです。今日の項目、あなたにとっては如何だったでしょうか。明日も「他からの影響を受ける時間泥棒」を続けていきます。