大阪市の土地信託2件目破たん、負債274億円
大阪市交通局の土地信託事業で、274億円の負債を抱える商業ビル「オスカードリーム」(住之江区)について、同局と受託したみずほ信託銀行(東京都)の双方が、信託契約を打ち切る方針を固め、債務の負担割合について協議を始めることがわかった。今月中にも、同行、同局のいずれかが、大阪簡裁に民事調停を申請する。バブル期に高額配当を見込んだ事業は2021年の契約満了を待たずに事実上破たん、市の大型プロジェクトがまた、市民に大きなツケを残すことになる。市の土地信託事業の失敗は、都市型遊園地「フェスティバルゲート」(浪速区)に続き2例目。 同局と同行は、1991年3月、地下鉄、ニュートラム・住之江公園駅前の市バス車庫跡地約8600平方メートルについて30年間の土地信託契約を締結。同行が95年、総事業費225億円で、19階建ての商業ビルを開業した。 9~19階に「住之江ホテル阪神」、その他の階には飲食店やスポーツ施設などが入居。市は30年間で総額260億円の配当を受け取る計画だったが、地価下落でテナント賃料が年々低下し、開業以来赤字が続いていた。これまで配当はなく、逆に事業の累積赤字は約50億円(今年3月末)に膨らんでいる。 また、大阪・南港の新都心開発を当て込んでいた核テナントのホテルは、開発の足踏みで需要が伸びず、昨年11月に撤退。テナント入居率は現在47%。 信託法では、契約終了時に土地、建物とともに債務も所有者に引き継がれるため、同局は「このままでは赤字が膨らみ続け、市の負担が増える」と契約の打ち切りを決断。「銀行は9000万円の信託報酬を得ており、経営責任を負うべきだ」としている。 一方、同行は読売新聞の取材に対し「個別の取引に関することなので、現時点ではコメントできない」としている。 市の土地信託事業を巡っては、同局所管の「フェスティバルゲート」について、04年3月、負債380億円のうち市が200億円を負担する調停が成立、信託3行との契約を解除した。その後、施設を民間企業に貸す計画は頓挫している。(参考=9月8日 読売新聞)