家庭菜園(果樹)関連の参考図書
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感想など |
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◆家庭で楽しむ果樹栽培(NHK)
良い本だと思います.というのは第一に,梅,柿,栗,キウイ,柑橘類,ブルーベリー,ラズベリーなどの比較的定番な果樹からアセロラ,フェイジョア,ジャボチカバ,ペピーノ,マンゴー,ライチなどの南方の果樹,アケビ,サルナシ等日本に自生する果樹まで幅広く載っています.第二に,収量,食味,早生か晩生か,樹勢と樹形,家庭向きか,品種の特性(受粉樹としての相性や害虫への耐性,裂果のしやすさ等)など,家庭で栽培する上で重要と思われる情報が載っています.写真もきれいですし,全体的にわかりやすい上に,値段も安いと思います.
ただし,果樹に関するお薦め度の評価が,他のサイトとはかなり食い違っていたりすることがあります.また,クランベリーなど果物の種類によっては見開き分しか内容がない場合もあります.
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◆NHK趣味の園芸ガーデニング21育てて味わう!まるごとベリー ブルーベリーと人気の10種
いろいろなベリー類の育て方が載っています.写真もきれいで眺めても楽しく,その意味で満足度が高いです.
ちなみに載っているベリー類は,ブルーベリー,ラズベリーとブラックベリー,ストロベリー,
ハナイチゴとワイルドストロベリー(いろいろなストロベリー),ジューンベリー,
グーズベリーとカラント,クランベリー,マルベリー(桑),ハスカップ,
日本のワイルドベリー(クロイチゴ,シャシャンボ,ニガイチゴ,コケモモ,
ヘビイチゴ,クマイチゴ,ナツハゼ,モミジイチゴ,ナガバモミジイチゴ,
シマバライチゴ,ベニバナイチゴ,ギーマ,ツルコケモモ,カジイチゴ,
スノキ,クロマメノキ,フユイチゴ,エビガライチゴ),
世界のワイルドベリー(シーベリー,ビルベリー,リンゴンベリー)です.
日本のワイルドベリー,世界のワイルドベリー以外は,
育て方や料理が計6ページ程度以上の分量にまとめてあります
(『家庭で楽しむ果樹栽培』では,グーズベリー,クランベリー,
ジューンベリーは各2ページずつでした.ストロベリーは載っていません).
ストロベリーの項で,『よくわかる栽培12ヶ月 イチゴ』
で見かけた言い回しが載っているのはご愛敬(執筆者が同じ).
ブルーベリーやハスカップは種の蒔き方も載っています.
クランベリーとブルーベリーの寄せ植えは丁度同じ事を考えていました.
P.S. ハスカップを変換しようとすると,蓮カップになってしまう.
なんとなく蓮コラージュを連想してイヤンなのだけど.
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イチゴ
どちらかと言えば初心者向けという印象ですが,月ごとに作業内容が載っており,イチゴの栽培方法がコンパクトにまとまっています.その他,休眠打破のために5度以下の温度に当てる時間数(p.27.女峰は約200時間,宝幸早生は300~400時間)や,花房のでる方向(p.123他.親株につながるライナーと反対側)など,栽培上役に立つ情報もあります.ついでにイチゴのお菓子やジャム,プリザーブの作り方も載っています.
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柑橘類
こちらも柑橘類栽培の初心者向けの本です.
前の方は,田中氏による柑橘類の分類,古代から今日までの日本における柑橘類の話題(雛飾りに橘と桜がある理由など),日本での柑橘類の品種改良と系図など柑橘類に関するトリビア的な話題が中心です.
後ろには月ごとに作業内容がコンパクトにまとめてあります.その中で3月の後ろに接ぎ木,剪定,植え付け,施肥について,4月の後ろに柑橘の種蒔き
(蒔くのは良いけど10年ぐらい待たないと花が付かないこと多し),
6月の後ろに病害虫の予防等がまとめて載っています.また,12月の後ろにマーマレード作り,主な柑橘類の収穫期と食べ頃,柑橘類の増やし方などが載っています.
ちなみに,大量の柑橘類が山積みになった写真が見開きで載っていて,
次のページにどの位置の柑橘が何という名前かが載っています(番号付きでなんと105種類?).
ところが,柑橘の名前から写真中の位置を探そうとしても,全部は見つかりませんでした.
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イチゴの作業便利帳増補改訂
5t,550万円なんて書いてあり,要するにイチゴの営利栽培をされる方向けの本です.ただし,一般の方がイチゴ栽培を楽しむ場合にも,参考になるような項目は多数あります.ランナーの向きのそろえ方(p.38,ランナーをのばしたい方向にクラウンを傾けて植える)とか,花芽分化の温度(p.70,15度ぐらいで良いらしい等).また,p.12に苗,芽,果房,葉をどのように呼ぶのかがまとめてあります.頂果房というのは,頂芽のてっぺんにつく果房のことでした.
新品種に関しては,章姫,さちのか,とちおとめ,さがほのか,紅ほっぺ,あまおうの特徴(果実の特徴,花芽分化促進処理への反応)等について記載があります.さちのかの特徴を読むと(p.140),頂果では空洞などが出来やすいと書いてありました.なるほど.
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ブルーベリーの作業便利帳
このシリーズは基本的に営利農家向けのようです.
例えば,つみ取り園や出荷用のブルーベリー園を作るという観点からかかれています.
鉢植え栽培の方法については書いてありません.
しかし,ブルーベリーを真剣に育てたい人は持っていて良い本だと思います.
ブルーベリー栽培に影響を与える四つの気象要因
(p.18.無霜期間,冬の最低気温,低温の程度,降水量)からどの種類を選ぶか,
植え付け時や挿し木時の用土
(p.87.植え付け時はピートモスが重要,
p.37.ノーザンブッシュ系ではバーク等の有機マルチが重要.
p.69,71.ラビットアイ系でも鹿沼土とピートモスを混用すれば休眠枝の挿し木もOK),
挿し木による増やし方(どの位置で切るか等),ブルーベリーの主な品種特性(p.56~),
混植(p.117.ラビットアイ系とサザンハイブッシュ系の混植をすると果実重減などが起こる),
アメリカでの栽培動向などいろいろな情報が載っています.
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アスパラガスの作業便利帳
このシリーズは基本的に営利農家の方向けだと思います.同シリーズでも『ブルーベリー』などは,一般の愛好家が持っていても良いと思われる本でしたが,この本に載っていることを真剣に参照しながらアスパラガスを栽培する一般人はあまりいないのでは?家庭菜園を楽しむ程度ならば不要な本だと思います.
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ブルーベリー大図鑑
ほんとうに一冊丸ごとブルーベリーの図鑑でした.系統(ノーザンハイブッシュ,サザンハイブッシュ,半樹高ハイブッシュ,ラビットアイ)別に分けてあり,品種ごとに大体つぼみ,花,青い実,熟した頃,葉の写真が載っています.各品種は少なくとも写真1ページと解説1ページ以上(品種によっては数ページ以上)の記載があります.解説文には品種同定のポイントなどが書いてあることも多いので参考になります.欲を言えば,冬芽の様子,休眠枝の様子,紅葉の様子の写真もあればもっと良かったと思います.
なお,栽培方法については記載がありませんので,ブルーベリーの育て方自体を知りたいのであればこの本は不向きです.
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木の実栽培全科
山などに自生しているような植物で,実が食用になるもの(例えば,アケビ,ウグイスカグラ,
ウワミズザクラ,ガマズミ,カヤ,キイチゴ類,クサボケ,グミ類,クロマメノキ,コケモモ,
サルナシ,ナツハゼ,ハシバミ,ハスカップ,ヤマモモ,シバグリ,サンカクヅル,サンショウ,
ヨウセンゴミシ,ツクバネ,トチノキ,ヤマブドウ,ヤマボウシ等)
を中心に簡単に栽培方法が書いてあります.品種の分化等が
ほとんどない植物が多いのでやむを得ない面もありますが,簡潔すぎて満足できないかも.
副題として『有望54種』と書いてありますが,それなりのページ数が割いてあるのは
(数え間違えていなければ)31種類です.残りはまとめて一覧表に載っているだけです(アカモノ,
アズキナシ,イチイガシ,イワテヤマナシ,イワナシ,オオウラジロノキ,カリン,キハダ等).
その意味でもちょっと期待はずれでした.
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家庭菜園(野菜)関連の参考図書
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感想など |
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ぼかし肥と緩効性被覆肥料で30坪の自給菜園
ぼかし肥の作り方が載っています.プラグトレー(下の写真のようなもの)の存在はこの本で知りました.ただ,手抜き栽培をするには,あまり小さい(穴の個数が200個等多い)ものは向かないと思います(毎日水やりをしないと,すぐに土が乾く).被覆資材の活用はなるほどと思いました.
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ここまでできる週末菜園
最初に読んだときは,「ここまできっちりやったら息が詰まりそう.家庭菜園が楽しくなくなりそう」という印象を持ちました.しかし,小面積をめいっぱい使いこなすという姿勢は大切ですし,考えようによっては面白いと思います.巻末についている野菜別作型表は,後作にあった野菜まで紹介してあるので,便利です.
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かんたん!プランター菜園コツのコツ
タキイ種苗のカタログに連載されているものをまとめたもののようです(見覚えのある写真が...).タマネギやカブ等の栽培の様子をみると,手入れの仕方によっては,プランターでも信じられないほど立派な野菜が育つことが分かります.いつかは自分もこんなに立派な野菜を育ててみたいと思いました.カラーの写真も多く,初心者の方にもわかりやすいでしょう.
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野菜のバスケット栽培
要するにスーパーなどの買い物カゴに寒冷紗を敷いて土を入れ,野菜を栽培するという方法について紹介しています.側面からも水分が気化するので高温多湿による失敗が起こりにくいようです.
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ベランダでおいしい野菜づくり 育てながら食べられる、わくわくキッチンガーデン
スプラウトのページでも紹介しましたが,写真がきれいで見ていて楽しいかも.レタス,コールラビ,スイスチャード,インゲン,カリフラワー,ジャガイモなどの野菜やバジル,月桂樹,コリアンダーなどのハーブ類の栽培方法や寄せ植えなどについて簡潔に載っています.ただ,野菜栽培という点からは,物足りなさを感じるかもしれません.
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◆別冊NHK趣味の園芸わが家の片隅でおいしい野菜を作る
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果菜(1)
家庭菜園レベルアップ教室シリーズの一つ.このシリーズは全体として,
中級者以上でも満足できるような詳しい情報も載っています.
この巻はナス科の果菜(ナス,トマト,ピーマン,シシトウ,唐辛子)の季節ごとの管理方法・
栽培方法が説明してあります.トマトといっても,普通のトマト,
ミニトマトの他に調理用トマト,高糖度トマトや簡易水耕栽培まで載っています.
トマトのアイスクリームなどちょっと変わった料理の方法まで載っています.
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葉菜(1)
家庭菜園レベルアップ教室シリーズ.いろんな種類の葉菜が載っています.列挙すると,
アシタバ,エゴマ,エンサイ,オカノリ,オカヒジキ,ガーデンクレス,カラシナ,
コウサイタイ,小松菜,コーンサラダ,サイシン,山東菜,シソ,春菊,スイゼンジナ,タアサイ,高菜,青梗菜・パクチョイ,つまみ菜,つるな,ツルムラサキ,トウミョウ,ナバナ,ニラ,野沢菜,葉ダイコン,ヒユナ,フダンソウ,ほうれん草,水菜(京菜),三つ葉,メタデ,モロヘイヤ,ヨモギ,ルッコラ,ルバーブです.見落としていなければ36種類の葉菜の栽培方法が載っていることになります.その分,他の巻と比べて内容が薄くなった感じはします.
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根菜(1)
家庭菜園レベルアップ教室シリーズ.
ダイコン,カブ,ニンジン,ゴボウ,ビーツについて説明があります.
ビーツの栽培方法が載っている本はあまりないかも.
品種群の紹介,美味しいものの見分け方,種まき方法から生理障害,
病害虫の防除までの一般的な栽培方法,さらに
各野菜の料理法まで載っています.
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根菜(2)
家庭菜園レベルアップ教室シリーズ.この巻はジャガイモ,
サツマイモ,里芋,長芋,イチョウ芋,つくね芋,ショウガが載っています.
ショウガがこの巻に載っているのかは若干不思議です(あとはいも類なのに).
種芋の正しい切り方から病変等まで,分かりやすく記載してあります.
中級者以上も満足できそうな内容だと思います.
サツマイモの水耕栽培の方法が載っているのには驚きました.
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家庭でつくる生ごみ堆肥
家庭で生ゴミ堆肥を作るときにありがちな失敗とその対策(いつまでもベタベタ,悪臭がするetc.)や,好気性発酵,嫌気性発酵による生ゴミ堆肥化の例が紹介してあります.
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図解家庭菜園ビックリ教室
癖があるので好き嫌いが分かれるかも.
語り口調なのが面白い.
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寒地の自給菜園12カ月
標高1000m,2月半ばに氷点下18度まで下がる場所(南相木)で3アールの自給菜園を営む筆者の経験に基づいて書かれています.単なる野菜作りだけでなく,第三章は貯蔵の方法ということで,冷凍庫や土室の利用,漬物やジャムにしたり,乾燥貯蔵,製粉貯蔵などの方法について書いてあります.第四章は毎日の作業内容が月ごとにまとめて書いてあります.寒いところで生きるのは大変でしょうけど,ある意味でとても豊かでうらやましい生活だと思います.
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日陰をいかす庭づくり
家の北側では植物は育たないと思っていましたが,植える植物を適切に選べば立派なお庭になることがよく分かります.写真もとても美しく眺めるだけでも価値有り.後半は日陰で使える植物の図鑑になっています.木の高さ,多年草・一年草の別,花の時期別にまとまっているので,便利そうです.このボリューム,この内容でこの値段はお買い得.
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ミニ盆栽と苔玉
口コミ情報では推薦する声が多いので,思わず買ってしまいました.
確かに,最初にぱっと見たときには写真もきれいな上に,値段もお手頃なので魅力的に思えました.しかし,ミニ盆栽などの写真をじっくり見ていると,なんだかとても貧相な作品ばかりのような感じがしてきました.
(盆栽のことは全然分かりませんが,目の保養になるどころか不快感を覚えました.自分のセンスにはあわない作品が多い本でした.
美味しいラーメンを食べたいときに,安物カップ麺を渡された気持ちです).
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図解これならできる山づくり
林を持っているわけではないのですが,
山の手入れってどうやるのかな?と思って買ってしまいました.
台風の後などに,杉林でごっそり木が倒れていますが,
密度管理などをきちんとすれば,そういったことは起こらずに済むようです.
間伐が不十分で手遅れ状態の林ではどうすれば良いか等も紹介してあります.
また,間伐材をあえて使わないで林の中で活用する方法など
(そのまま置いておくことによって,鹿などの侵入を防ぐ等)は,なるほど,と思いました.
この本に書いてあるような方法での山林管理の方法なら,
山林の荒廃を食い止められる可能性もあるのではないかと思いました
(あくまで素人考えでは,ですが).試してみたくなったのですが,林を持っていないので...
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